スーパーマーケット 2012
HAPPENINGText: Victor Moreno
初めてきく方のために説明をすると、「スーパーマーケット」とはストックホルムで行われているインディペンデント系のアートフェアだ。ここでは、世界中のアーティスト運営のギャラリーや団体が、スウェーデンや世界のアートシーンで新たなネットワークを作ることができる。
カルチュールフーセット(カルチャーハウス)で開催されているこのフェアは、40カ国80ギャラリーが参加するほど大規模なものになっている。アーティストたちを招いて作品づくりをしてもらい、その企画自体にインタラクティブなアートとしての意味を持たせているというのが、このフェアのメインのひとつ。その中には、セミナーやパフォーマンスアートといったプログラムもある。「スーパーマーケット」全体の目的は、作品を売ることよりも、国際的かつ思いもよらない新しい出会いの場をつくることだ。
アーティストによって立ち上げられ運営されているこのフェアは、地元のグループによる小さな試みから本格的な国際アートフェアへ発展し、アートの世界地図においてストックホルムを有名にする一助となった。実際このフェアは、世界中の文化機関や政府機関から沢山のサポートを受けている。
このアートフェアは非常に大規模なため、わたしたちは一旦会場を歩き回って何が起きているのかを見学することにした。そこで注目した見所をいくつか紹介しよう。
GRAD(ベオグラード)へようこそ。KC GRADとしても知られているGRADヨーロッパ文化・討論センターは、カルチュアル・フロント・ベオグラードとアムステルダム・フェリックス・メルティス財団が共同で2009年に設立。ベオグラード中心部の荒廃した工場エリアの1884年に建てられたかつての倉庫の中に、このセンターはある。
デヤン・ウービヴィッツとルドミラ・ストラティミロヴィックが共同創設者であり、共同ディレクターを勤めるこの大きなギャラリーでは、国内外のコンテンポラリーアートやデザインを中心に扱っている。様々なジャンルの革新的なアーティストを世界中から集めた音楽プログラムもあり、過去にはグラス・キャンディ、カリブー、サシャ・ファンケ、デビッド・カレッタなども参加をしている。
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