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天使の話・失くしものの歌

HAPPENINGText: Yu Miyakoshi

去る12月16日、宮城県の塩竈にあるギャラリー&ショップスペース「ビルド・フルーガス」にて、アーティストの小林エリカさん、映像作家の松本力さん、帽子作家の松本由伎子さん、音楽家のVOQこと本多裕史さんによるチャリティーイベントが行われた。

このイベントでは、「天使の話・失くしものの歌」をテーマにしたワークショップとライブが行われ、それが全て出演者の好意と横浜市民ギャラリーあざみ野主催「ハッピーキャップ・プロジェクト」の支援によって無料で提供される。

まずは「天使の話・失くしものの歌」って何だろう?というところから小林エリカさんに教えて頂いた。

天使の話・失くしものの歌
ワークショップにてVOQ 本多裕史さん(左)と小林エリカさん(右)が参加者の方、一人一人へインタビュー

『最初のきっかけは、震災後に「シークレット・ガーデン〜記憶の鍵」という展示に声をかけて頂き、東京の世田谷教会を訪れた時に、ドイツからチャリティーために送られてきたのに割れて壊れてしまった天使が山積みになっていたのを見つけたことでした。それを見て、羽が欠けた天使を修復しながら「失くしものについて思いをはせる」というワークショップを開くことを思いついたんです。

それで松本力さんとVOQの本多さんにもご協力をお願いして、本多さんは参加者の方の声を録音して音楽にして、松本力さんと私はアニメーションの映像作品を作りました。その時には既に、塩竈でビルド・フルーガスを営んでいる高田彩さんにアニメーションをプレゼントしたいね、というお話はしていて、そこに松本力さんのお母さまである由伎子さんのハッピー・キャップというプロジェクトも重ねてやろう、ということで実現したのが今回の企画です。』

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世田谷教会で行われたワークショップで修復された陶器の天使

そのプロジェクトが塩竈へ来る、ということで誰よりもハッピーになったのはビルド・フルーガスの高田さんだった。高田さんも塩竈で震災を経験し、復興に力を尽くしてきた方々の一人だ。

『被災地でアートを、と言われても、理解できない人もいるでしょう。でも、復興に取り込んでいく過程で、必ずアーティストという発想豊かな人たちが社会の役に立てる場面がある。そのときこそ、彼らの存在意義を見せていきたいんです』そう語る高田さんは、震災後間もなく宮城在住のアーティストと出張ワークショップ「飛びだすビルド!」という支援活動を始め被災地のこどもたちに文房具を届けたり、映画配給会社の協力をあおいで上映会を行ったりしていた。全ての活動に情熱的に取り組む高田さんだが、今回のイベントは特別だった。『以前から大好きだったアーティストたちが来てくれると聞いて「嬉しい、会える!」と思いました。今回は、もう復興活動とか関係ないぐらいに、私自身が楽しんでいます。』

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