ヴァージン・ギャラクティック 民間宇宙旅行計画
HAPPENINGText: Victor Moreno
偶然にも、今朝は昨夜の夢の記憶が鮮やかに残っていた。僕は雲の上のドライブスルーにいた。空飛ぶ黄色い車の中に座り、チョコレートケーキを頬張っている。この夢は近いうちに、現実のものとなるかもしれない。というのも、ヴァージン・ギャラクティックのリチャード・ブランソン会長とそのチームメンバーたちが温めている計画かもしれないのだ。素晴らしいことに、この計画は、非常に速いペースで開発され続けている。
Spaceport America Terminal
ヴァージン・ギャラクティックは、宇宙旅行という新しいビジネスを生み出し、“スペースシップツー” によるテスト飛行も成功させ、この夢のような計画実現への第一歩を踏み出した。スリル好きな者たちに捧げる最高の旅に違いない。この夢の旅行を手がけるサー・リチャードは、宇宙旅行ビジネスのパイオニアであり、アイコン的存在だ。開放的な社会の結果として、宇宙の利用というアイディアが生まれ、来たるべき世代への可能性を見出している。
飛行テストや宇宙船の開発、その他の状況も踏まえ、昨今の宇宙旅行ビジネスの状況を教えていただけますか?
ヴァージン・ギャラクティックのプロジェクトは2004年に始まりました。というのも、この年のAnsari X Prize(有人弾道宇宙飛行コンテスト)で優勝した宇宙船、スペースシップワンの技術利用権を獲得したからです。スペースシップワンは、バート・ルータンが設計したもので、乗客2名を乗せて宇宙空間に到達するという偉業を、2週間で2度も成功させた宇宙船です。公企業ではなく、民間企業が、有人宇宙飛行を実現させたのは初めてのことでした。まずは実現可能なビジネスへと発展させるため、バートの持つ炭素複合材の技術を用いて、実用的な宇宙船の開発にとりかかりました。つまり、宇宙旅行ができる乗り物の開発です。また、宇宙科学の研究や、産業用観測機器としても使える宇宙船にしたかった。新しいマーケットを切り拓くことを望んでいた我々には、公的援助のない乗り物に投資すること、宇宙旅行こそがその答えだと思ったのです。リサーチによって、期待できるマーケットがあると分かり、チケット販売から始めました。
Spaceship Two-feathered
次に、収益性と実用性の両方に優れた宇宙船として、スペースシップツーとホワイトナイトツーを設計しました。この有人宇宙船の価格は1席20万ドルで、高度110kmまで達することができます。試作用の商業宇宙船が完成し、すでに50回に及ぶ飛行テストを行っています。この宇宙船では、複合材を使用して新たなシステムを設計しました。スペースシップツーのハイブリッド式のロケットモーターと翼の装置によって、弾道飛行をせずに再度大気圏に突入することも可能なんです。
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