高橋喜代史

PEOPLEText: Mariko Takei

「勢いの視覚化」をテーマに、漫画や書道、音楽など様々な要素を合わせてインスタレーションやパフォーマンス作品を展開している、札幌を拠点に活動しているアーティストのキーボーこと高橋喜代史。彼の擬音語を使ったボールドで立体的な作品は札幌や世界各地のあらゆる場所に出現し、そのソリッドな出で立ちとは異なる、擬音語の放つ心地よい脱力感が見るものに強烈なインパクトを与える。そんな彼の個展「ハイブリッドアートIII そして伝説へ…」がCAI02にて開催されている。

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今回札幌のCAI02にて個展を開催されますが、何年ぶりくらいになりますか?

札幌では3年ぶりですね。今年の春にニュージーランドのオークランドでやってきたので、個展としては半年ぶりくらいです。

アーティスト活動をするようになったきっかけを教えてもらえますか?

小学校の低学年くらいから漫画家志望だったんです。なので、漫画ばかりよく描いていて、ある賞に応募したら入賞し、担当の編集者が付くようになったのですが、そこですごく説教されるわけです。入賞したものの、絵が下手過ぎるから絵の勉強をしなさいと。それが20才頃ですね。そこで、美術の専門学校に行きまして、そこで出会った先生がCAIを主宰している端さんでした。端さんの授業がすごく面白くて。ある日フリーペーパーで見つけたのが、端さんがやっている、現在のCAIアートスクールで、そこにも夜間通うようになったんです。1年間そうやっていたら、CAIアートスクールが昼間もやるということになり、専門学校の方をやめて、CAIに移ることに決めました。

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「ドーン」(2007)

高橋さんの作品の特徴として漫画の擬音語をモチーフにしたものがありますね。

それはやはり漫画家を目指していたというところから、引き継いでいるというのが凄く大きいですね。あと、書道もやっていたので、文字を書くという楽しさを学び、音楽が好きだったのでタワーレコードで働いたりと、漫画、書道、音楽という大好きな3つの要素がうまく合わさったのが、「擬音」というカタチだなと思ったんです。

擬音シリーズの最初の作品「ドーン」(2007)以外にはどんな作品がありますか?

北アイルランドのベルファストというところでやった作品で、地名を英語で漫画っぽくつくった作品「Belfaaaaaaast!」(2008)や、英語の擬音語で、日本語でいうガチャーンみたいな「crash」(2008)。あと、アーティストインプログラムというので小学校の空き教室に2週間行って、そこで小学生と一緒に作品をつくるというもので、小学生に絵を描いてもらってそれを合わせてつくった「ゴゴゴゴゴゴゴ」。

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「ガガガ」(2009)

除雪をテーマに、除雪機の音を使って雪でつくった「ガガガ」(2009)。擬音語とは少し異なりますが、中国のグループ展でつくった「GO」(2009)、この「GO!」は中国の吉林省に9月下旬にオープンする図門江彫刻公園のパーマネントコレクションとして再制作されています。他にも札幌駅に展示したART BOXグランプリ作品「バーン」(2010)など。他には、平面的な小作品も展開しています。

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