国松希根太
PEOPLEText: Mariko Takei
札幌から南に約90km、苫小牧と登別の中間の海岸線に位置する白老町にアトリエを構え活動するアーティスト、国松希根太。彼の作る木の彫刻は、柔らかく優しい存在感のあるものから、荒削りで力強いものまで幅広い。若手ながら数々の展覧会への参加やライブイベントではミュージシャンとコラボレートも行っている。近年、彫刻作品の他、平面作品やインスタレーション作品等、活動の幅を広げている彼に最近の様子について話を伺った。
Photo: Yuko Takeyama
まずはじめに自己紹介をお願いします。
国松希根太。1977年、札幌市生まれ。現在は北海道、白老町の飛生にある、1986年に廃校になった飛生小学校跡地を再生した「飛生アートコミュニティー(TOBIU ART COMMUNITY)」を拠点に制作しています。
BETTA (部分) / 2004 / 44×190×50cm / 桂 Photo: Kai Takihara
MEGA (部分) / 2003 / 42×28×10cm / 桂 Photo: Kai Takihara
グループ展に参加するそうですね。
「New Point vol. 6」という展覧会で、「新しい出会い、新しい展開」をキーワードに様々なジャンルの作家30人が集うグループ展です。2004年の一回目から参加していますが、北海道で初めて作品を発表した展覧会なので思い入れがあります。
シズクノオドリ / 2003 / 44×18×6cm / 桂 Photo: Kai Takihara
木を使った彫刻作品を制作されていますね。表現する方法に彫刻を選んだのはなぜですか?
祖父が画家、父親が彫刻家という環境で育った事もあり、美術の道に自然と進んだと思いますが、小さい頃から建築や陶芸など立体的なものに惹かれていました。ルイジ・コラーニの影響から、車のデザインの仕事などもしてみたいと思っていた時期もありました。大学はデザインで受験しましたが一度失敗して、本格的に立体を学ぶのであれば彫刻だろうという理由で選択したのがきっかけです。主に木を使っているのは、ある日、落ちていた木の破片を彫ったりグラインダーで削ったり遊ぶようにして作った「シズクノオドリ」という作品が自分の彫刻の考え方を大きく変えました。それから木を使い続けています。
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