「ノーマディック!シェイン・イーマンと仲間たち」展

HAPPENINGText: Aya Takada

TWS本郷での展覧会に加え、イーマンとスクリバーは、ビルドスペース(塩釜)や田中謙一アトリエ(京都)にてアーティストインレジデンスを行い、滞在期に制作した作品は「コラボレーションルーム」に展示された。

ノーマディック展
「こけし」セス・スクリバー

レジデンス作品の代表作は、スクリバーによる「こけし」。日頃からスケッチブックに筆ペンを巧みに使いこなし、松島こけしも見事にスクリバーのキャラクターと化した。土地特有の素材と地域文化を瞬時に自身の手法に取り入れるのも、遊牧的な表現活動からだろう。伝統文化がそのまま模倣されるのではなく、作家自身が投影されているからこそ、球形の頭部と円柱の胴が基盤となるこけし人形が「ちょんまげ」を装う頭部となるのだ。道化る作風には、思わず笑みをこぼしてしまう。

ノーマディック展

ノーマディック展
「ドローイング、コラージュ」シェイン・イーマン

壁面には、イーマンによりセレクトされ、丹念に貼付けられたドローウィングやコラージュ画が展示されている。色褪せた紙と自作の詩、雑誌の切り抜きにポリティカルなメッセージ、そして繊細に描かれた線画・・・。イーマンの作品では、遊牧的であることは曖昧に彷徨うのではなく、よりよい状態や状況へと向うことであり、遊牧的な自由さの中にも、入念に組み立てられた設計図が作品から感じられる。

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チーヤン・チェン
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