THE ALBUM リリースパーティ
ビジュアルと音楽の関係性を意識的に一つの媒体として落とし込み、そのどちらが主というのではなく、両面からアートとい領域にせまり、ビジュアルから音楽を感じ、音楽からアートを連想させ、またその逆も然りというコンセプトを持つアートブック「THE ALBUM」が、BEAMS Tからリリースされた。そのリリースに先立ち、代官山UNITで、本の参加アーティストとアートなシーンの重要人達が参加したリリースパーティーが行われた。
音楽のジャンルはロック、テクノ、ハウス、エレクトロニカ、ノイズなどなど盛りだくさんで、無戒秀徳(向井秀徳)、DMBQ、アルツ、ニッポニア・エレクトロニカなどのアーティストが参加しアートブックの内容が伺い分かるラインナップ。さらにヴィジュアル、ライティングにも個性的なのアーティスト、宇川直宏、エキソニモ、大橋二郎などをピックアップしていて、視覚的にも刺激があり、こちらも本の内容に相応しいラインナップ。
千原けん輔と赤岩やえによるアートユニット・エキソニモのインスタレーションVJは驚きと新鮮さに溢れていた。回転する台に様々な素材を使い、リアルタイムに刻々と移り変わる風景を創造し、3台のDVカメラで三つのアングルから撮影された映像を、3台のプロジェクターから各々のDVカメラの映像を映し出す。また、3台のモニターに映像を流し、さらに3台のDVカメラで撮影しプロジェクターに映し出す。このアナログなものとデジタルを融合したビジュアルインスタレーションは既存のVJの枠を大きく超えていて非常に刺激的であり、同じ対象が撮影される角度によって刻々と変化するさまは不思議な感覚を観る者に与える。だれでも思いつきそうで、あまり行わないこの様な手法を、エキソニモはアートとして提示しそれを観る体験は実に素晴らしかった。
そして、「THE ALBUM」において、楽曲とイラストレーションを提供している元ナンバーガールの無戒秀徳のライブは、彼一人、ギター一本とエフェクトという非常にシンプルな構成だが、そのシンプルさゆえに詩と音楽がより強いパワーを持って会場に響き渡り、独特な空気感を作り出していた。その詩の内容が深く心を揺さぶり共感を呼ぶとともに、深く入り込めば込む程、聴き手の無意識の領域まで侵入し、音楽を媒介としたアート的な体験を呼び起こした。
続きを読む ...