天明屋尚
PEOPLEText: Kyoko Tachibana
映画「WILD STYLE」をはじめとするヒップ・ホップ文化に影響を受けたと伺いましたが、日本画もしくは浮世絵とヒップ・ホップ文化に共通点はあると思いますか?もしあるとすれば、どんな共通点があると思いますか?
ヒップ・ホップの4要素(ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティ)の中でもスキルが極めて重要なブレイクダンスには日本画に近いものを感じます。日本画も修練された高い技術が要求されます。1日ではけしてできない積み上げられた高い技術こそが説得力を生み、人々を感動へと導いて来たのだと思います。デュシャン以降の現代美術作品は、その技術を蔑ろにして来ました。というより技術を捨てて、すり変えるマジックによりいまがあるといった所でしょう。「美」たるものの本質を見失っているような気がして私はなりません。
天明屋さんにとって、日本文化の魅力とは何であるとお考えですか?
「粋」な所でしょうか。
反骨諷刺絵巻2006 孤独の侍編 © 天明屋尚
作品のモチーフを考えるとき、どんなものに発想を得ることが多いですか?
天から発想は降って来ます。冗談です (笑)。
龍神来迎図(制作途中)© 天明屋尚
では最近興味を持っていて、作品に取り入れようとしているものは何かありますか?
今まで自然というものに全くと言っていい程、興味がなかった私なのですが、山や川、木々や雑草などの自然にとても心ひかれました。また、空気の匂いや川のせせらぎ、虫の音色も同様に。日本の自然や懐かしさを覚える何かが今、とても興味があります。日本人としてのDNAがそうさせているのかもしれないなどと想ったりもして。今後、あの時に感じた感動をなんらかの形で作品に取り入れるかもしれませんね。
今後はどのような作品に取り組んでいきたいですか。
日本といったものをもっと深く掘り下げ、捉えていきたいと考えています。
天明屋尚オリジナル・ネオ家紋集『KAMON / TENMYOUYA HISASHI』
仕様:21.0 x 29.0 cm、初版限定Cover ホログラム仕様
発売日:2007年11月
価格:3,990円(税込)
ISBN:978-4-903267-64-7
出版社:KING OF MOUNTAIN
TEL:03-3693-7070
https://www.kamondesign.com
Text: Kyoko Tachibana
