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第23回 サラエボ・ウィンター・フェスティバル

HAPPENINGText: Yurie Hatano

今年第23回目のサラエボ・ウィンターのテーマは「Some other city(ある他の都市)」。このテーマにインスパイアされたアーティストがそれぞれの見解で「ある他の都市」を創造する。サラエボ・インターナショナル・フェスティバル「サラエボ・ウィンター」は、世界中からのアーティストや市民の伝統的な合流点である。

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第1回目のサラエボ・ウィンター・フェスティバルは、1984年12月21日から1985年4月6日に渡って開催された。以来22年間毎年開催され、フィスティバルはこの町にとってなくてはならないものとなっている。1026日に及ぶ開催期間中、サラエボでは2763のパフォーマンスや展覧会が開催され、2,831,000人の観客、24,300人の参加アーティストが世界中から集まった。「サラエボ・ウィンター」は戦時中も休止することなく、クリエイティビティの自由のシンボル、そして様々な文化や文明を普及するための場所となっている。

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ユニティック・ギャラリーは、2月10日に面白い展覧会をスタートした。この展覧会の作家、アレクサンドラ・ニーナ・ケネゼヴィッチは、このギャラリーにいることが「ある他の都市」にいることと同等だと暗示する。ニーナは65のサラエボの都市のシンボルをつくり、そこからディングバット・フォント(シンボルから成るタイプフェイス)を制作した。ギャラリーのガラスの壁にそれらを張り巡らせる。そうすることで、ガラスの壁自体が彼女の作品となり、ただ作品を置かれたスペースというだけではなくなる。ギャラリーが彼女のキャンバスとなった。

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シンボル(ディングバット・フォント)の促進と共に、ニーナは他にもこれらシンボルが使われた作品を披露する。ポスターやフォントの他にも、リデザインされたアンティークのサラエボのポストカードなど。それらは元々100年前にもさかのぼるもので、その頃の構成や思想を残されてはいるが、極めて異なる形でここに展示された。

SARAJEVO WINTER
会期:2007年2月7日〜3月25日
会場:Unitic gallery
住所:Titova 9a, 71000 Sarajevo, Bosnia and Herzegovina
TEL:+ 387 33 207 945
https://www.sarajevskazima.ba

Text: Yurie Hatano
Photos: Aleksandra Nina Knezevic

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