オクトマニア(オン・ドローイング・ザ・ナンバー・エイト)展
私は7歳の頃、1989年の香港映画「ゴッド・ギャンブラー」でギャンブルの世界を知った。チョウ・ユンファの超クールなギャンブラーのキャラクターによる神わざと巧妙なテクニックの影響を受けて、友人と私はトランプゲームにのめり込み、「Go Fish(伝統的なカードゲーム)」を卒業して「Big 2(大富豪のようなゲーム)」までするようになった。「Big 2」では、チョウ・ユンファのサインの動きのまねをし、2のエースに変えることを願いながら手のひらの間でカードをこする。実際ただの手ふざけにすぎないのだが、魔法のようにカードを変えたいというお茶目な願望と共にとても魅力的な技だった。私がこれまでギャンブルをした経験をあげるとしたら、1番近いのがこの「Big 2」だ。
パラ/サイト・アート・スペースにて、クリスティーナ・リーがキュレーションを務めたギャンブルと占いの関係を考察するグループ展「オクトマニア(オン・ドローイング・ザ・ナンバー・エイト)」のオープニングに足を運んだ時、この懐かしい記憶が私の頭に浮かんだ。
「ゴッド・ギャンブラー」に起因するギャンブル映画のローカルジャンルにインスパイアされた「オクトマニア」は、珠江デルタ地方、香港、廣州、マカオ出身の5人のアーティストをフィーチャーする。珠江デルタに位置するこの展覧会は、中国の背景における伝統的な民俗文化とギャンブルの関わりの役割を証明するものだ。信仰のシステムは別として、聖職者の宗教に影響を受けている中国の民俗宗教は毎日の文化に組み込まれている。同様に、ギャンブルの最も初期の話が中国(2000-1500紀元前)で記録されたように、家庭麻雀からマカオのカジノホールにまで及ぶ現代の顕現は、中国人の生活への統合を明らかにする。さらに民間信仰と迷信の影響はギャンブルの習慣として信仰して来た。一番の例は、ラッキーナンバー、アンラッキーナンバーの同音異義語の役割だ。例えばこの展覧会の中国名(拾發)は広東語の18番の斉唱であり、「確実に成功」というフレーズの音に近い。
Zhao Tao, Wish You Make a Pile, 2003-2004
ペインティング、インスタレーション、ミクスド・メディアなどの作品で、現代の流通や、古い習慣、偶像崇拝、空虚な願望などのテーマを探る。ジョウ・タオのインスタレーション「Wish you make a pile」は “ビジネス・スリーブ” に関する彼のとんでもない解釈を提供する。古い中国映画に描写されているように、拡張されたスリーブ(袖)は通過交渉の際の秘密の握手を隠すためのもの。タオのビデオは現代のビジネス・スリーブのための露天商人としての試みを記録したもので、アメリカの星条旗プリント、オサマ・ビン・ラディンのプリント、アクリルの毛皮など、様々な素材でできた2フィートの長いチューブなどがある。さらにビデオは、細長いスリーブが付いたスリーピースのスーツを着ている2人のビジネスマンの間で行われる、おかしくて静かな握手取引の場面も含む。そのビデオに登場するスーツ、露天商人のディスプレイなどがタオのインスタレーションに加わわる。
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