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姉川たく

PEOPLEText: Naoko Fukushi

仕事環境について教えてください。

中目黒に大学時代の友人達と共同の作業場を作りました。その場所の名前が「LABO」です。元家具工房だった場所を借りて、内装などはやはり友人の建築家に依頼して、自分達にとってとにかく快適な場所を、ということで計画しました。現在は、デザイナー、プログラマー、アーティストなどの人種10数名がシェアするスペースとなっています。自分にとっては、非常に重要な場所で、展示などに積極的になったのもLABOの存在は大きいでしょうね。基本的に「ええかっこしい」なので、誰かに見られている方が仕事するということもありまして…

2003年に刺繍ミシンを購入されたそうですが、どういった作品で使用しているのですか?

南青山のCPFで行った展覧会で、始めて刺繍ミシンの作品を発表しました。完全に手作業というのでもなく、手も、デジタルも、機械も通るという作業形態は非常に魅力的。

10月の札幌での展覧会の内容はどのようなものになる予定ですか?

先頃東京で開催された合同展(@CPF青山)で発表した作品のシリーズを大幅にバージョンアップしてお披露目します。絡みあい、もつれあい、結ばれて、また、ほつれる。糸を表現する言語は多様で、関係性を様々に言い表わしています。おそらく、糸そのものがそういったイメージを内包しているからなのでしょう。今回の展示は、糸の存在感をどこまで、引き出せるのかということをひとつの着眼点としています。

また、刺繍ミシンを中心に、シルクスクリーンやスプレーといった糸との新しい関係性を見つけだすためのチャレンジも行う予定です。

今回のカバーデザインのコンセプトを教えてください。

ミシンが描き出すステッチに焦点をあてました。淡々と一見機械的に描き出される線は、実はそれぞれに表情を持っています。写経を行うのは心を集中させて、祈りや願いを高めるためと言われますが、ミシンが描き出す線はその写経にとても似ています。しかし、写経が2度と全く同じ文字が書けないのと同じように、同じプログラムで書かれた線も少しの揺らぎとの組み合わせで、2度と同じ線を書くことはできません。それでもミシンは、淡々と黙々とただただ美しい線を引いていくのです。

今後の予定やチャレンジしてみたいことを教えてください。

例えば、展覧会を国外でやるとか。新しいことは常に、続けていくことになると思います。

最近は、自分がかかわるものが全て、本来あるべき姿になるようにと心掛けています。少し伝わりにくいかもしれませんが…無理せず形にはめていく…。そんなイメージでしょうか。そういった感覚で仕事をすることが増えてきました。

最後に読者にメッセージをお願いします。

いつかどこかでお会いしましょう。以外と狭い業界みたいですし。

姉川たく
住所:東京都目黒区中目黒1-9-6 LABO
https://www.anekawa.com

Text: Naoko Fukushi

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