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アートデモ・メッセ 2004

HAPPENINGText: Tomohiro Okada

数分程度の一定期間をおいて、連続撮影を続ける「ライフスライスカメラ」。このアイディアをもとにプロダクトを開発し、同じく3月中旬にリリースするのがライフスライス研究所。


ライフスライス研究所「ライフスライスカメラ」

「ライフスライスカメラ」は、首からさげ続けるアクセサリーのようなカメラ。だから、その人の見たもの全てが撮影される。自分が住んでいる街や、環境、それにコミュニケーションを記録し続けるこのカメラによって、他人と「視点」を共有することができる。

このカメラのプロトタイプは、世界で活動するNGOが特に購入し、採用したという。見知らぬ土地で何を彼ら、彼女たちがしているのか?その報告が、実際に見たり触れ合ったりする中での感動までも映像に込めて、私たちに伝わるのである。

メディアアートをコンピュータゲームやモバイルコンテンツに変えるフォトンが、同じく3月中旬にリリースする、フォトン初の携帯電話ゲーム「音玉」。


フォトン「音玉」

もはや携帯電話機が高機能なゲーム機になってしまった今、音玉は、携帯電話のキーパッドをシーケンサーに変えて、画面上に出るコミカルな「玉」型のキャラクターをつぶしながら、気持ちのいい音を出して行く、ひとときのトリップ感覚を味あわせるゲームである。誰もが、携帯電話というハイパワーなマルチメディアツールを持つなら、アート作品が入り込んで刺激を与えてしまおうというチャレンジだ。

アーティストとステークホルダーを交えた、ブレーンストーミングで興味深い議論となったのは、誰もが触ってもらえるアートにしたいという考えをクワクボリョウタが示したことであろう。いくら私達や、より若い世代のまわりの人たちが面白いといってくれても、より上の世代やもっと他の人達にも、関心を持ってもらったり、理解してもらえたり、触れてもらったりしてくれるような作品を作り続けたいとクワクボは言う。

それはまさに、今という中での格好よさやオモシロさに溺れることの無い、誰もがITに触れなければならない時代におけるクリエイティブな感動を、実際の「もの」にして行くことでより多くの人に広げていきたいという思いである。この思いは、ITを使って「もの」を作り出すことをクリエイティブとする、今回のアートデモに参加したほかのアーティストにも共通するものであった。

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