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シークレット・ダイアリー

THINGSText: Andrew Sinn

自営業を営むということは、ここ2年間、周囲で大きな話題となっている。ひとつには、私の周囲にいる人たちの多くが、エージェンシーを介した仕事を辞め、新しい方法を探し始めているということと、もう一つは、ドイツの政治家とメディアが、高い失業率対策のために、起業家支援のためのシステムを作ったのだ。以前ハンブルグから記事を寄稿していたダニエルも、製品を作りそれを販売するというビジネスで独立することを決めた。今回は、その彼の独立に至る経緯を紹介しよう。

そのきっかけとなったのは、とても個人的な出来事だったようだ。その当時、ダニエルには、ロサンゼルスに住むヘレナという彼女がいて、遠距離恋愛状態だった。彼は、彼女の誕生日のプレゼントに、距離を克服できるような、2人だけのオンラインダイアリーを作ったのだ。それは、データバンクと連携したフラッシュムービーで作られていて、そこで直接メッセージを書くことができるのだ。(ちょっと人には見せられないものが増えると思うが。)

このダイアリーを使い始めて、ダニエルは、「これは自分たちだけで使うのはもったいない。製品になるのではないか」と考え、フリーランスの仕事をやめ、この「シークレットダイアリー」に全力を傾けることにしたのだ。

これを始めるときの彼の思いは、オンラインで単にアカウントだけを売るようなものではなく、実際に手に取ることができ、誰かにプレゼントできるような、もっとリアルな「物」を作りたいということ。もう一つは、その製品を売る、自社のオンラインショップを作りたいということだった。そしてブランド・イグルーがそのオンラインショップだ。

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葛西由香
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