アディクティブTV

PEOPLEText: Yasuharu Motomiya

ロンドンを拠点に活動する映像集団・アディクティブTVが、東京のクラブ2ヶ所でVJパフォーマンスを行った。彼らはイベントでのVJの他、「ミックスマスターズ」というオーディオ・ビジュアル・ミックスのDVDシリーズや「オーディオビジュアル・ラウンジ」という、映像主体のイベントをシネフィールと一緒にロンドンやパリなどでオーガナイズしている。今回は、その中のメンバー、VJ担当のニック・クラーク、グラハム・ダニエルズ、A&Rのフランシス・レミーの3人が来日した。

イエローで行われたイベント「ロンドン・イニチアティブ」では、様々な角度で張られたスクリーンに映し出された彼らのVJがフロアーとDJブースを囲み映像をフィーチャーし、よりサウンドとのミックスを演出する空間となった。かれらのVJスタイルは基本的にはグラハムが映像の素材をセレクトしニックがVJミキサーでミックスしていくという、即興性の高いスタイルで、機材の複雑な手続きを二人で分担した即興性の高いスタイルで、リアルタイムでのサウンドとのコラボレーションを図るものだ

ハウイー・ビーのDJとのセッションではそれを感じることができた。ハウイー・ビーの遊び心のある自由なDJプレイに映像が面白いように同期していたからだ。「ぼくたちは感じたものを、何も考えずに表現するんだ」とニックが言うように、フロアーの影にあるVJブースに目をやると、グラハムが楽しそうに踊りながら映像をミックスしているのが見えた。彼らのVJスタイルは、一瞬一瞬のフィーリングを大切にしそれをどう表現するかに注がれているようだった。

一方、エーライフでのイベントでは、より自分たちがオーガナイズしている「オーディオビジュアル・ラウンジ」に近い形でパフォーマンスできたと本人たちは語っていた。セットは短いものだったが、イベント自体が前半はラウンジ色の強いものだったため来ている人たちは映像に注意を向けて観ることができた。後半は音楽のBPMが上がるにつれ、彼らのVJも前日のような肉体的なものへとなっていき、踊っている人も座っている人も空間を楽しむことができるものだった。

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