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エヴァン・ヒーコックス展「トーキョー:トラベル・ビジュアローグ」

HAPPENINGText: Benjamin Roy


Keegan McHargue

キーガン・マクハーグの衝突と困惑がこの苛立つスケッチのセンターステージに同居する。黒、赤に白、そして点とらせん、線とジレンマ。これら全ての要素がぶつかり合うなかで人の頭上に無意識に蒸発していく思いが見事に描き出される。


Shay Nowick

忍者とウサギ、純真な殺し屋。シェイ・ノウィックの印象的な作品達は鮮やかな色に溺れ、鏡のような光沢フィニッシュが施されている。他のアーティスト達と同様に技能と構成は二の次で感情的レスポンスを全面に出すことが強調される。ここに読み取れるのは殺意でさえも純真は守るということか。


Alena Scooter Rudolph

現実的な都会の家々は物悲しく静かにたたずむ。陰気な茶色は冬季の日昇を示唆。この風景はベージュやピンクの反射影で明るさを足され、明日への希望を肯定する。サンフランシスコの町並みのシルエットがスクーターの作品へ及ぼした影響は明らかであるが、自身の心象風景を街の退廃のなかから見つけてきた木片に描くことで意図的に街へ何らかの還元をしているように思われる。

停電に見舞われ暗闇これらのの中でのオープニングとなった11月9日。当初オープニングで演奏予定であったレイ・バービーも急きょ演奏を断念。ギャラリーサイドの「アートを明るいところで見てもらいたい」という呼びかけにバービーも2週間後にバンドを連れて駆けつけた。自身もプロスケートボーダーであったバービーだけに、展示スペースへの貢献は言わずもがな。

苦悩的かつ同情的なこれら作品達は、見逃されがちな世界が、そこに生きながらにして傍観者と化身するアーティスト達によって喚起される。

Evan Hecox “Tokyo: Travel Visualogue”
“From The Trenches” Curated by Chris Lindig

会期:2002年12月9日(月)〜30日(月)
会場:New Image Art Gallery
住所:7906 Santa Monica blvd. #208 Los Angeles, CA 90046
TEL:+1 323 654 2192
https://www.newimageartgallery.com

Text: Benjamin Roy
Translation: Aya Muto
Photos: Aya Muto

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