ツリー・アクシス

PEOPLEText: Kanya Niijima

今月は、つい最近設立されたばかりのクリエーターユニット「Tree-Axis」(ツリー・アクシス)にインタビュー。以前、フューチャー・ファーマーズに関わっていたクリスター・オルソンとステラ・ライによるこのコンビ、プログラマーとデザイナーという新たな組み合わせが、一体どんな事をやってくれるのか非常に楽しみである。コラボレーションの強さや可能性といったものが、彼等のウェブサイトから十分理解できる。近々、サイトのメジャーアップデイトを予定しているとの事なので興味のある人はチェックしてみよう。

まずは、ツリー・アクシスの概要についてお願いします。

ツリー・アクシスはサンフランシスコを拠点に、クリスター・オルソンとステラ・ライにより結成されたマルチメディアスタジオです。以前、においてGasbook05の為の作品を制作中に、一緒にコラボレーションしたのがきっかけで、インタラクティブな作品をもっとアウトプットしていこうと、今年8月にツリー・アクシスをスタートしました。

ツリー・アクシスって興味深い名前だけど、どんな由来があるんですか? 

最初は、ステラがGasbook05の作品制作時にデザインした3Dの木のモデルからヒントを得ました。二人とも、ハイテク産業における自然の重要性、リサイクル等のエコロジーに関する問題に興味があったり、「木=紙=本」という図式において、派手なビジュアル指向だけが目立つマルチメディアに対して、本の様にもっとコンテンツ重視の構成を設定したかった、といった様な共通点をお互いに持っていたので、「ツリー」を使う事に決めました。「アクシス」という言葉は、クリスターの提案からきているんだけど、この言葉が持っているテクっぽい感じと「ツリーe」の自然指向なメタファーがバランスを持っていて、二人とも気に入ってます。
以前、クリスターは東京のアクシスビル付近に住んでいた事もあるんです。

最近手がけたプロジェクトについて教えてください。

Gasbook05と Codexシリーズが最近制作した作品かな。これはいろいろな動物が、架空の島の中にあるオブジェクトを求めて、迷路を駆け巡るといったようなゲーム的な要素が含まれたものです。

現在はツリー・アクシスのウェブサイトを新たに制作中です。コンテンツのほとんどが、ShockwaveとJavascriptを中心にして仕上げてあります。ユーザーフレンドリーで首尾一貫したインターフェイスを創ることを心がけていますが、同時に複数のナビゲーションを設置することによって、ビジターが各々ユニークで異なった体験を味わえるようにデザインしています。また、私達自身や他のクリエーター達の実験作品を発表するギャラリーのようなスペースも、ただ今計画中です。

ツリー・アクシスの将来の方向性は?

とりあえず、資本をもっと確立させて、CD-ROMやリアルタイム3Dゲーム等の制作に力を入れたいです。ストーリー性のある、ユーザーが冒険できるコンテンツを創っていきたいです。

最後に、ツリー・アクシスにとって、マルチメディアの今後の可能性について一言お願いします。

個人的には人工知能(AI)の分野が面白いと思います。現在のマルチメディアシーン、特に3Dゲーム関連では、質のある作品を創り上げるためには多くの人材を要します。たとえ良いアイディアを持っていたとしても、小規模な会社だけでゲームを制作するのは、まだまだ困難なのが現状ですね。将来、AIがゲームエンジンやコンテンツ制作用のアプリケーションに搭載されて、デザイン/プロダクションの過程がもっと簡易化されることを望んでいます。

TREE-AXIS
住所:1025 17th Street #1, San Francisco, CA 94107
TEL: +1 415 512 1969
cactus@tree-axis.com
https://www.tree-axis.com

Text: Kanya Niijima

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