ホール・アース・カタログから50年、これからの未来・テクノロジーを考える〜 ニュー・コンテクスト・カンファレンス 2021

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

台湾で35歳で最年少入閣し、オープンガバメントを推進した天才プログラマー、オードリー・タン(台湾デジタル担当大臣)の講演では、コロナ禍において行った台湾でのデジタル施策の事例をいくつか紹介した。


オードリー・タン(台湾デジタル担当大臣) 写真提供:デジタルガレージ

オープンンデータを利用し、マスクの在庫を地図上にマッピングし、不足している地区にいち早く届けたり、国民の不満やアイディアを24時間体制で受け付ける電話窓口の開設や様々なキャンペーン、そして、プライバシーを保護しながら、コロナのクラスターを視覚化し、濃厚接触者に通知を送るシステムなどについて説明した。また、国民の理解を得るには、時にはユーモアも必要で、それが(SNS)などの拡散力につながることもあると話した*。

*ソーシャルディスタンスを周知するのに、犬何匹分空けて、などのユーモアを交えたメッセージはまたたく間にSNSで拡散された。


パネルディスカッション「デジタル社会・オープンガバメントの目指すもの」 写真提供:デジタルガレージ

その後、伊藤穰一をモデレーターに、村井純、オードリー・タンにケイト・マッコール(米国連邦政府内のデータラボ「xD」の共同創設者)を迎えたパネルディスカッションでは、前パネルを引き継ぐような話題について議論が行われた。既存の行政システムをオープン化することは相当困難である。最初からオープン化したシステムをオープンソースを活用して新たに構築した方がオープンガバメントを実現しやすいだろう、とオードリー。官民協業については、共通言語をまずデザインしなければならない。サービスアーキテクチャーの設計にはデザインが重要。そして、オーケストラに例え、良い演奏をする(社会をつくる)には、は相互理解が不可欠。長期的な視点でとケイト。

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