オラファー・エリアソン 展「ときに川は橋となる」

HAPPENINGText: Sophia Sloan

《ときに川は橋となる》(2020) では、円形の空間に誘われ、天井高くまで黒色のカーテンに覆われているのを目にする。まるで洞窟のようなこのスペースにおいて、まず目につくのは中央の浅い水盆を照らしている光だろう。この光は円形のスクリーンに向かって反射している。水盆に仕掛けられている小さなモーターは絶え間ないゆらぎを生み出し、反射したイメージのテクスチャを刻一刻と変えていく。そして、それが暗い空間で観客を取り囲むようなシチュエーションを作り上げる。


Olafur Eliasson, Sometimes the river is the bridge, 2020. Installation view: Museum of Contemporary Art Tokyo, 2020. Photo: Kazuo Fukunaga. Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2020 Olafur Eliasson

観客の数に反して、全体的に展示スペースは広々と感じられる。会場の所々にはガイドの矢印が記されているが見落としやすい。しかし、そのおかげで自由に歩き回り、各部屋に用意された環境を思う存分堪能することができるともいえる。部屋から部屋への移動は、作品が醸し出す雰囲気の違いによってよりドラマチックに演出されている。また、本展覧会は文字による説明が最小限に抑えられており、インスタレーションの多くにキャプションはつけられていない。エリアソン本人の引用も交えている箇所もあったが、まずは参考情報なしに作品を味わい対話する機会を十分に与えられている。


Olafur Eliasson, Sustainability research lab. Installation view: Museum of Contemporary Art Tokyo, 2020. Photo: Kazuo Fukunaga. Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2020 Olafur Eliasson

この個展は構成が非常に思慮深く練ってあり、作品で表現されている自然現象を通じて、新しい感覚や観点を発見することができる。開催に至るまでの準備工程まで全てが調和しており、エリアソンの哲学を強調している。

「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」
会期:2020年6月9日(火)~9月27日(日)
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
観覧料:一般 1,400円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円、中高生 500円
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.mot-art-museum.jp

Text: Sophia Sloan
Translation: Hikaru Hakasuji

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