ジゼッラ・リフシッツ

PEOPLEText: Taketo Oguchi

さて、最近本の挿絵を制作したそうですが、本の内容に教えてもらえますか?

はい、そうです!素晴らしい本、「エル・ネネ・プリンチピート」(星の王子様)の初となるアルゼンチン版にイラストを描きました。スペインに住んでいるアルゼンチン人のコレクターであるグスタボ・アドリア・ソレによって翻訳され、スペインの出版社であるチルクーロ・ロホにて美しく編集してもらいました。今回の作品は番号がふられた初版となる限定版で、アルゼンチンでも同様に編集できるようにしたいと考えています。このプロジェクトはグスタボの生涯の夢でした。『この普遍的な古典作品を出版することは、アルゼンチンの人々だけでなく、スペイン語を学ぶ外国人も、この言語のラプラタ川流域の方言のバージョンを読むことができることになります。』


El Nene Principito

挿絵を手がけるきっかけは何だったのでしょうか?

私はアルゼンチンとウルグアイからイラストレーターを募集していることを知り合いから聞き、ポートフォリオを提出し、イラストレーションを手がけることとなりました!星の王子さまは私のお気に入りの古典の一つで、子供の頃祖父がよくそれを読んでくれた1951年版の本は、子供の頃からずっと、今でも大切に持っています。
おじいちゃんが母のために誕生日プレゼントとして買ったものだと思うので、この本は世代を超えて私の元へきました。私はこの小さな王子の自分のバージョンを生み出そうとしたとき「わぁ信じられない、これはかなりの挑戦だ」という感想でした。初めは驚きの感情でしたが、それを手がけるとき、そしてそれを生み出そうとするとき、同時にそれが私を作っているのだと感じました。

挿絵はコラージュで制作されているのですね?

コラージュだけでイラストを作る最初のプロジェクトだったので、私にとってはこの方法で登場人物を生み出すまったく新しい方法を試すこととなりました。そして突然、この小さな男の子は自分の人生を築き始めました。彼のために作られた世界…そして私が紙を切り取っている間、私は彼の心配、希望、恐れを感じました。それは実際に私のものでもあったのです。このプロセスはやや不思議で、探す前に物事が現れます。テクスチャ、シェイプ、オブジェクト、色、ディテール、まるで私が作業する前に、彼らがどこに属しているかを知っているかのように。彼らはイラストの中で自分の場所を自然に見つけます。私はイラストの視覚的な側面だけでなく、登場するキャラクターや風景の感情的な文脈も理解しようとするイラストを作成しています。ハサミ、紙、接着剤を使って作業し、撮影したものを最終画像としてデジタル化します。


El Nene Principito

手作業でのコラージュはとても温かみがあって本にとても良く合っているように思います。何か反響はありましたか?

ありがとうございます!私はすでにグスタボが本を送っている世界の様々な場所から非常に良い反応を受け取っています。また、私のこれまでいろいろな場面で出会ってきた多くの人がこのプロジェクトを気に入ってくれていて、連絡をくれます。まるで時間と空間の中で全ての宇宙が出会うような一種の魔法のように感じる程、全てが一緒に起きています。

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