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落合陽一展「山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」

HAPPENINGText: Victor Moreno

2018年4月20日から6月28日まで、落合陽一の個展「山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」が、表参道の「EYE OF GYRE」で開催され、近年の集大成となる15の作品が公開された。1987年生まれの落合陽一は、わずか30歳にして、すでに驚くべきキャリアを重ねているスーパークリエイターだ。

落合はメディア・アーティストであり、東京大学の総合分析情報学コースで博士課程を修了。さらに研究者としての研究活動において、世界中で賞を獲得している。2017年、落合は筑波大学に「デジタルネイチャー推進戦略研究基盤」を設立し、基盤長と准教授に就任した。現在、「計算機自然」というコンセプトを研究しており、VR、デジタル・ファブリケーション、自動運転、人間制御に重きを置いている。

私たちは幸運にも、終了が迫っていた個展に滑り込むことができた。磁場に浮かぶ美しい金属製の球体や波形は、日常的にお目にかかれるものではない。造形作品に加えて、投影されている何点かのビデオは、空間を装飾し作品を活かすのに寄与しており、折衷的で多色的な背景として機能している。一日中見ていても飽きないだろう。また、計算機自然、運動、電気磁気に関する研究作品もいくつか出展された。

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Silver Floats © Yoichi Ochiai, Courtesy of HiRAO INC.

個展の入口で最初に入る部屋には、様々な有機物体、植物、そしてほぼ間違いなく最もよく知られている落合の作品「コロイドディスプレイ」が展示されている。コロイドディスプレイは、シャボン玉の液の膜をスクリーンとし、集束超音波を当てて蝶のホログラムを投射するものである。これらの芸術作品は購入が可能であり、「自分が家に置きたいものであることを基準に選んで展示している」とのこと。

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Colloidal Display © Yoichi Ochiai, Courtesy of HiRAO INC.

次の部屋は、2016年に発表され高い人気を誇る作品「レビトロープ」という美しい浮遊オブジェ作品で満たされている。6個の鏡面の球体が、空中に浮遊したままの状態でゆっくりと周回し、美しいイリュージョンを成している。だが実際は現実に存在し手で触ることもできる。さらにそこでは、電光と投影された映像が、奥行き感のみならず折衷的な芸術形態を与えることで成果を高めている。それぞれの色やパターンは異なった雰囲気を醸し出しながらも、同じ作品の一部と感じられ、物質と映像の区別が曖昧になる。

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