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本多沙映

PEOPLEText: Miwa Yokoyama

捨てられたプラスティックから人工石を制作するアムステルダム在住の日本人ジュエリー作家・本多沙映。作品集「EVERYBODY NEEDS A ROCK」が「torch press」(トーチ・プレス)から発売されるのを記念して、原宿の書店「ユトレヒト」で展覧会が開催された。

ダイヤモンドが単なる地球形成における地下底活動の産物であるように、
私の石は現代文化が生み出した堆積物である。
プラスチックごみのような見過ごされたものを大事に
扱い祝福することで、そこに新しい価値を生み出し、
日常の何気ない風景を違う角度から見る視点を提案する。 – 作品集本文より

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© Sae Honda

まず始めに自己紹介をお願いします。

オランダのアムステルダムに在住していて、ヘリット・リートフェルト・アカデミー・ジュエリー学科で学びました。このアカデミーのジュエリー学科は、ジュエリーという概念を起点に幅広い表現方法で制作を進める人の集まる面白いところで、私自身も色々なメディウムで制作していて、ジュエリーアーティストを名乗る時もあれば単にアーティストを名乗る場合もあります。

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EVERYBODY NEEDS A ROCK, 2016 © Sae Honda

捨てられたプラスティックからジュエリーを制作することになったきっかけは何だったのでしょうか?

ジュエリー科で価値について考えていた中で、ハワイ島のカミロビーチという太平洋からのごみが沢山流れ着くことで有名な場所で見つかったプラスチックが混ざり合った新種の石の記事を見て、その新しい石が遠い未来で価値を持ったものになっているかもしれないという想像ふくらんでいったことがきっかけでした。流れ着いたプラスチックゴミがキャンプファイヤーや清掃活動などを通した何らかの熱によって溶かされ、それが周りの自然物と一体化して石となるという生成プロセスを自分なりに真似して見たところ、まるで自然物のような表情が出て来たことが面白く感じました。

私の作っている石はそれぞれ特定の場所で特定の日時に拾ったもののコンビネーションでできています。ゴミを拾う時にその場所の景色、天候、音、香りなども記録しています。

石を作る過程で、試行錯誤や難しさなどは何かありましたか?

どこまで操作するのか、クオリティを保ちつつどう自然を模倣するかを考えています。ジュエリーに落とし込む時も、デザインが難しくて、石一つ一つのクオリティを重視するか、ストーリーを重視するか、また従来のジュエリーデザインに落とし込むべきかなどを考えています。

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