シンガポール・ビエンナーレ 2016

HAPPENINGText: Fann ZJ

ソーシャル・メディアとログの時代に、私たちは自身の共通点を増幅するエコー・チャンバー(共鳴する部屋)に住んでいる。今年で5回目の開催となる、シンガポール・ビエンナーレ 2016 は、「アトラス・オブ・ミラーズ」(鏡の地図)をテーマに、似て非なる歴史と文化を持つアジア諸国の多様性や精神性を理解する意味と必要性を問う。

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Lim Soo Ngee (Singapore), Inscription of the Island, 2016, Copper alloys with patina treatment, 250 × 500 × 300 cm

今回は、東南アジア、東アジア、南アジアの19か国から約60組の現代美術作家が参加している。ほとんどの作品がこのビエンナーレのために制作されたもので、展示は、9つのサブテーマで構成された8つの会場に渡り、会場となっている植民地時代の歴史的な建物を進むにつれて章が展開される。

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Pannaphan Yodmanee (Thailand), Aftermath (detail), 2016, Mixed media: found objects, artist-made icons, concrete and paint, Site-specific installation, 300 × 1600 cm

パナパン・ヨドマニーは作品「余波」で、仏教の宇宙観を最も現代的な物質を用いて体系化した。剥がれたコンクリートと鉄骨の瓦礫から覗く壁画と石積みのレンガは、破壊と再建を示唆する。東南アジアの歴史の偏年史が記録されているミニチュアの仏塔は天と地を表し、空間を探索するかのような幾何学的な線や点の接続は、宇宙的な大きな文脈を感じさせる。

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Deng Guoyuan (China), Noah’s Garden II, 2016, Aluminium alloy steel frame, mirror glass, LED lighting, real and artificial plants and rocks, 1160 × 650 × 320 cm

鄧国源(トウ・コクゲン)の「ノアの庭 II」には、自然の概念が文字通り反映されている。シンガポール美術館の元々チャペルだった場所に、ガラス張りの部屋が置かれ、内部は鏡で覆われた2つの回転パネルによって、万華鏡のように空間が変化する。繰り返される像の中で自分自信の姿を見ることはできない。現代的にアレンジした内部に置かれた宋朝時代の古典的な中国の庭は、バーチャルとリアルの反射の間で不鮮明になる。

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