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スズキユウリ

PEOPLEText: Aya Shomura

"The Visitor", collaborated with Jeff Mills, 2015

“The Visitor”, Collaborated with Jeff Mills, 2015, Photo © Ryu Kasai

ザ・ビジター」についてお話頂けますか?

このオブジェクトは彫刻、楽器の中間に位置するようなものです。テクノアーティストのジェフ・ミルズとの共同制作した作品です。昨年東京の寺田倉庫にて一夜限り公開されました。制作にあたってジェフのパフォーマンスを観察し、意見交換しながら作り上げていきました。彼は繊細に、機材をまるで魔法使い(文字通り“Wizard”)のように操るので細心の注意を払ってコントロールパネルをデザインしました。

"Juke Box" Learning gallery, Tate Britain, 2014

“Juke Box”, Learning gallery, Tate Britain, 2014, Photo © Yuri Suzuki

どの作品も「鑑賞者自身が触れて、音を(作り)出す」ことができるように感じます。また視覚的にもデザイン性が高いですが、意識なさっていることはありますか?また(楽曲は別として)スズキさんの作品は譜面のある「音楽」というよりは、集めた「音を楽しむ」という印象です。スズキさんにとって「音」とはどのような存在なのでしょうか?

前途に申し上げました通り、私は難読症で視覚から入っているインフォメーションをなかなか消化できないのだと思います。デザイン性が高いと言っていただけるのは大変嬉しいですが、私はそのものが導き出すインタラクション、音を形に落とし込んでいるだけなのです。子供の頃からトロンボーンという楽器が好きで、ずっと練習していましたが、残念ながら難読症のため楽譜を読むことができず、バンドをクビになったりと悔しい思いをしてきました。なので音楽というよりも、音自体を楽しむという意味での“音楽”を作り出したいと思ったのかもしれません。音はなくてはならない存在で、私は許される限りの時間で音楽を聴いています。

欧州移住の際にMP3のオーディオデータを全喪失したというエピソードを拝見しました。今も、アナログとデジタルについての距離感は変わりませんか?

手軽さから言えばデジタルで、常に聴いているメディアはデジタルです、アナログは存在感がある分腰を据えて音楽を聴く時、音源を手でコントロールするDJする時はアナログを使っています。なので用途が違うので使い分けています。

"Sound of the Waves" Installation, 2015

Installation “Sound of the Waves”, 2015

今、関心を持っている事象はありますか?その理由も教えて下さい。

最近落とし込んだ作品ですが、「サウンド・オブ・ウェーブス」はあくまでも背景として機能するサウンドデザインを考えてみたいと思い、人が気づかない音、絵で言えばキャンバスの白地のような存在の音を目指して作りました。

ワークーショップなども数多くなさっていますが、その理由を教えて頂けますか?

ワークショップは自分の作ったモノを直接触っていただく、良い機会です。そこでどう作品と関わって下さっているのか、それがまた次のプロジェクトに繋がっていくこともあります。

"Pied Piper",  Production, E&Y Japan, 2015

“Pied Piper”, Production by E&Y Japan, 2015

この2月に日本で行なうパフォーマンス、今後の予定についてもお聞かせ下さい。

2月7日〜11日に神奈川芸術劇場にて「ダイアローグ・ウィザウト・ビジョン」、4月の終わりにルクセンブルグのルクセンブルク・ジャン大公現代美術館(Mudam)にてインスタレーション展示、5月に新作発表予定、6月14日〜19日にスワロフスキーのアワードコミッションの発表をバーゼルのデザイン・マイアミにて行います。

最後に、サウンドアーティスト、デザイナーになった理由を教えて下さい。

父親がレコードコレクターで壁一面の棚にぎっしり詰まったレコードがある家で育ちました。自然と音楽が好きになっていき、幼少期にはMTVの収録されたベータテープを毎日擦切れるほど見ていました。ミュージシャンにならなかったのは難読症、そして音楽の才能が自分にはなかったのだと思います。デザインの勉強をしたきっかけは、母親の母校のカタログを見ていて工業デザインがすごくカッコよく見えたからです。ただ工業デザイナーという道も大学在学中、学校の課題をやる意義が見出せずドロップアウトしてしまいました。それから明和電機、イギリスでの大学院生活を通過し、紆余曲折あってサウンドアーティスト・デザイナーという肩書きを名乗るようになったのだと思います。

Text: Aya Shomura

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