マーティン・ショーラー「クローズ・アップ」展

HAPPENINGText: Victor Moreno

ショーラーは、「クローズ・アップ」シリーズのためにこれまで3,000人の撮影をしてきた。「自撮り」が市民権を得たことで、大きなポートレイト写真を展示するような撮影方法もアリになってきている。彼は『写真撮影における接写は、普段関わることのない被写体と鑑賞者の間に“無礼のない対面”を可能にする。ポートレイトの中で最も純粋な形だ』と言う。

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Martin Schoeller, Barack Obama, Portrait “Up Close and Personal”

見慣れた顔の大判ポートレイト作品を直に鑑賞するということは、撮影者の視点と鑑賞者の認識が対峙する意味で非常に面白い体験だ。これらの作品は「デジタル写真において光は情報であり、ショーラーが提供している物が情報」だからこそ、膨大な光量で演出されている。実際のところ、ポートレイトの中の人物の瞳の中に、ショーラーが撮影に使った撮影器具やショーラー自身を見ることができる。

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Martin Schoeller, Portrait “Identical: Portraits of Twins”

けれども「クローズ・アップ」シリーズは決して著名人ばかりではない。展示は2つのセクションに分かれており、一つは双子と三つ子を撮影したポートレイトで、写真集「一卵性:双子のポートレイト」にも掲載されている。

もう一つは女性ボディビルダーのポートレイトが並ぶセクション。本展は、ショーラーが『女性ボディビルダーのポートレイトでは、その鍛え抜かれた肉体の奥にある複雑な感情に触れたくて、僕が感じた彼女たちの中の“繊細さ”を表現している』と語っているように、自身の撮影力と、照明がいかに写真を彫刻の域へ押し上げるかということを披露する機会となっている。

Martin Schoeller “Up Close”
会期:2015年10月2日(金)~2016年2月7日(日)
時間:9:00~21:00(木~土曜日23:00まで)
会場:fotografiska
住所:Stadsgårdshamnen 22. 116 45 Stockholm
入場料:大人 120SEK、学生 90SEK、12歳以下 無料
TEL:+46 (0)8 509 0500
http://fotografiska.eu

Text: Victor Moreno
Translation: Momoko Maehana
Photos: Courtesy of the artist, fotografiska, Stockholm

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