ハンツヴィル

PEOPLEText: Ayumi Yakura

アート・フィルム界の巨匠で、フィランドの映画監督アキ・カウリスマキによる1999年のサイレント映画「白い花びら」(原題:Juha)が、ノルウェーから来日する3人組バンド、ハンツヴィルの即興生演奏とともに、北海道大学クラーク会館講堂にて2月1日に上映される。原作は、過去3回も映画化されたというフィンランドの国民的作家ユハニ・アホの著名な小説で、田舎で仲睦まじく暮らす夫妻の家に現れた都会の男が、若い妻を誘惑することから物語が展開する。視覚の芸術であるサイレント映画へ、即興による一度きりの音楽が与えられる時、観客たちはその場で何を共有することができるのだろう。開催に先立ち、来日ツアーを控えたハンツヴィルにメールインタビューを行った。

ハンツヴィル
© Andreas Ulvo

ハンツヴィルは2006年に結成されたそうですね。メンバー3人の関係について教えてください。

確か2005年か2006年ですが、実のところ思い出すのが少し難しくて。最初のコンサートは2006年でしたが、リハーサルやレコーディングは2005年に行いました。ただ、私たちは1998年からフリージャズ、フリーの即興音楽などで共に活動していて、様々なグループと一緒にセッションを行ってきました。


Huntsville live in Oslo, 09 (part 1)

一つのジャンルに捉われず、ロック、ジャズ、エレクトロニカなど、様々なジャンルを融合させているのはなぜですか?

ジャンルを融合させているという意識はあまりありません。ただ好きな音楽を演奏しているだけで、ジャンルを融合させること自体は私たちにとってあまり重要ではありません。

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FIMAV – Jonquiére (CAN), May 06 © Le Quotidien, Sylvain Dufour

ノルウェーは、豊かな大自然や、伝統的な音楽文化を有している国ですね。活動において、出自を意識することはありますか?

そうでもないかな。これはとても面白い質問ですね。ときどき海外の方や、ノルウェー出身ではない身近な音楽仲間からも、ノルウェー出身ということについて聞かれることがあります。日本のミュージシャンのサウンドが日本らしかったりするように、国らしさが出るミュージシャンもいると思います。しかし、私たち自身は音楽がノルウェーの自然や文化とどうリンクしているかはわかりません。逆に近すぎて、そういったことは外からみる方が簡単かもしれません。

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