NIKE 公式オンラインストア

ヒルマ・アフ・クリント展

HAPPENINGText: Kiyohide Hayashi

1908年そんな彼女に大きな転機が訪れる。それは人智学の創始者であるルドルフ・シュタイナーとの出会いだった。人智学とは物質世界を越えた超感覚的な世界観を持つ思想。時として神秘思想と見なされることもあるが、教育や芸術の面で人々に大きな影響を与えている。こうした考えとの接近は彼女の表現を更に鋭いものとさせ、作品はより抽象性を高めることになった。

HAK_Pressebilder_2_Altar_01.jpg
© Stiftelsen Hilma af Klints Verk, Photo: Moderna Museet / Albin Dahlström

例えば、1915年に制作された「オルターピーシーズ」では円形と三角形を幾何学的に描いている。輝きを意味するかのように放射状に伸びる形が加えられた円形。三角形は7色に塗り分けられ、それは次第に薄くなりながら頂点へと向かい、円形と重なっている。円形が星、黒色が宇宙、そして三角形が光を思い起こさせるように、彼女の作品は世界や宇宙、そこでの人間の役割を説明するものといえるだろう。

HAK_Pressebilder_4_Buddha.jpg
© Stiftelsen Hilma af Klints Verk, Photo: Moderna Museet / Albin Dahlström

このような彼女の抽象絵画が感じさせるのは圧倒的な内的世界観。目に見えぬものを気付かせることが使命となるため、時として啓蒙的な印象さえ感じさせる。例えば、画面上に現れるのは「EVOLUTION(進化)」という文字。これは私たちが進化を必要としていることを表す。そして画面上に登場する十字架は、その思想が宗教と同じ役割を果たすことを強く感じさせてくれるだろう。こうした直接的な意味を持つ言葉やシンボルは他の意味を持つことなく、彼女が伝えようとすることをそのまま表す。目に見えぬものや霊的なものを伝えようとする彼女の考えに澱みなどない。だからこそ、時間を経た今でも彼女の直接的な表現は私たちの心を打つ。

続きを読む ...

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE