ル・コルビュジエの家

THINGSText: Satsuki Miyanishi

パリを拠点に活躍した建築家、ル・コルビュジエ。「近代建築の三大巨匠」として位置づけられているル・コルビュジエが40年代にクルチェットという医師がル・コルビュジエに依頼した邸宅、クルチェット邸。アメリカ大陸で唯一設計した個人住宅であるこの邸宅を舞台にした映画「ル・コルビュジエの家」が公開された。

ル・コルビュジエの家

タイトルだけではドキュメンタリー映画のようでもあるが、成功したデザイナーと隣人とのトラブルを描いたシュールでユーモア溢れるストーリー。世界的に有名になったインダストリアル・デザイナー、レオナルドは妻と娘とブエノスアイレスの首都ラプラタにあるクルチェット邸で暮らしている。ある日、大きな音で目覚めたレオナルドは隣人が窓をつくるべく、クルチェット邸に向けて壁に穴をあけていることに気がつく。強面だがちょっとフレンドリーなビクトルと話し合いで解決しようとするが…

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監督は、1993年以降20を超える共同監督作品を発表し続けているガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーン。サンダンス映画祭撮影賞、アルゼンチン・映画アカデミー6部門など国内外の数々の賞を受賞し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やポンピドーセンターなど世界中が注目する実験映画作家。開放的な構造を持つル・コルビュジエの家を第三の主役として、ユーモアとともに上流中産階級への批判をもうまく表現している。

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この映画の始まりは、壁を壊している内側と外側が左右に映されている印象的なシーン。隣人のビクトルが開けようとしている窓によって、一見幸せそうな主人公の家族の不調和が映し出されていく。そしてストーリーが進むうちに、少し変わった隣人ビクトルになぜか親しみを感じてしまうのではないだろうか。

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映画の中でレオナルドがデザインした心地良さそうな椅子は、アルゼンチンの新進デザイナー、ディエゴ・バティスタの作品で、日本でも販売されていた。また、何度かビクトルが見せる印象的な指人形劇は、カルロス・エレラというアルゼンチンのアーティストによるもの。壁に掛けられた絵画、レオナルドが友人と鑑賞する現代音楽、ル・コルビュジエの家ともにアルゼンチンのアートも楽しめる映画だ。

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私たちの誰もが直面するかもしれないご近所トラブルや家族の問題と各シーンの絶妙な間、そしてユーモラスなストーリー。衝撃のラストと、ユーモアたっぷりのエンドロールもお見逃しなく。

ル・コルビュジエの家
http://www.action-inc.co.jp/corbusier

Text: Satsuki Miyanishi

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