マーダーポーレン

PEOPLEText: Satsuki Miyanishi

花の葯、葉の葉脈や、虫など子供の頃に夢中になって見ていたことはないだろうか。きれいなだけではなく、どこか惹かれてしまう自然界のディテールをオリジナルに表現するマーダーポーレン(murder pollen)のアクセサリー。身に着けたあと引き出しにしまうのではなくそのままインテリアになる様なアクセサリーを届けたいという思いで制作をされている、注目のアクセサリー作家、マーダーポーレンの山本亜由美氏にメトロクス札幌にて開催されたエキシビジョンに際しお話しを伺った。

マーダーポーレン

マーダーポーレンを立ち上げた経緯を教えてください。

OLとして働いていたときに、たまたま友達からアクセサリーのパーツを買いに誘われて、作ったのが始まりです。それを会社の先輩がお店で販売してみたらというので、スパイラルマーケットに持っていったらそのまま仕事になっていました。それ以前も絵を描いたり、編み物をしたり、物をつくることは大好きだったので何かそういうことをできたらいいなと思う中で、たまたまそれがアクセサリーだったのだと思います。絵を描くようにアクセサリーを制作していくので、素材が違っていても同じなのかなと感じています。いつの間にかこっちが本業になったという感じです。つくったものを首につければネックレス、指につければ指輪、アクセサリーを作るからアクセサリーデザイナーと言われるけど、額に飾れば画家と言われるのかもしれません。

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マーダーポーレンというのは、「毒を含んだ花粉」という意味なのだそうですが、作品の中にちょっとした毒を持たせたいといったような思いがあったりするのですか?

もちろん可愛いのも良いのですが、例えば植物の葉っぱは一見可愛いものではないけれど、私にはとてもかっこよく見えます。クモだってパッと見ると気持ち悪いですが、よく見ると毛の一本一本がすごくきれいに生えていたり、模様がきれいだったり、虫や植物など生き物のディテールが大好きです。そういった好きな部分が自分の中に入って、出ていくときにデザインになっていきます。身につけてくれる方にそれが少しでも伝われば思って制作しています。

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デザインする際、何か心掛けていることはありますか?

好きなものを作っているので、それをみんなが身に着けられる形であるアクセサリーにする、というのが私の仕事の証でもあり、大切にしていることです。細かなテーマがあるわけではなく、好きなものがあればこれを形にしてあげたいなって思ったり。野の花の首飾りとかそういうのが好きだったので、その感覚のままアクセサリーをつくれたらいいなと思っています。

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一つの作品をつくるのにどのぐらいの時間かかりますか?はじめにデザイン全て決めてから作り始めるのですか?

パーツを通すワイヤーも一つ一つねじっていく細かい作業などもアクセサリーには重要な部分ですので時間がかかります。作品毎に違うので、1週間でもできあがらないものもあれば、ワイヤーのねじり作業などを除けば30分でできあがるものもあります。長いものになるといろんなものと並行してつくっていくことが多いですね。はじめにピアスを作って3日後に同じデザインでネックレスをつくろうと思ったり。やはり好きなパーツでないとだめなので、たくさんパーツを購入してくることからはじまります。好きだけど使えないパーツがあったり、パーツとの出会いでもありますね。3年4年と寝かせてやっと使うパーツがあったりもします。これがとても可愛いなと思ったら、これの隣にはあのとき買った石だとかすぐにイメージが湧くんです。デザインは描かずに、実際にどんどんつくっていきます。買ってきたパーツを削ったり、色を濃くしたりすることもありますし、本当のビンテージのパーツを使うこともあります。現代物のパーツの他にも紀元前に古墳から出てきたラピスの模造品だったり、好きなものはなんでもパーツになります。コードでもいいかもしれないですね。(笑)

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THORN & LILY NECKLACE / TH-1

作品のアイディアはどこから得るのですか?

夢中になることが多いので好きな物はとことん調べたりと知りたがりで、子供のころからのそういった好奇心が旺盛でしたね。もちろん今でも新芽をみたらどきどきしたり、節足動物の足の関節を見て感動したりもします。自然のディテールからからインスピレーションを受けることが多いですが、例えばアイヌの柄のような民芸的な模様や、映画を見て作品のイメージが浮かぶこともあります。最近では「ミッドナイト・イン・パリ」を見たときは、パールをいっぱい集めてタッセルっぽくして周りをチェーンにしてみようなどとイメージが浮かびました。

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展示をする際のアクセサリーと植物のコラボレーションがとても素敵ですが、コンセプトに合わせて植物を選ぶのですか?

大掛かりになるので、担当してくれているお花屋さんと相談しながら決めていきます。テーマのイメージはもちろん旬のお花を使うということを意識しています。

ミラノやパリで展示をされたそうですが、いかがでしたか?

ミラノではミラノ・サローネでアクセサリーというよりインスタレーションを展示したのですが、場所が外にあるカフェでしたので、準備期間中に革のトカゲやバラの作品を持って行かれてしまうというハプニングがありました。パリの方は、初参戦ということもあり、大きな成果は得られませんでしたが、大好きなブランド、アンソロポロジーの方が展示を見てくれて検討いただけたことが、とても嬉しい瞬間でした。海外の大手のブランドでも作品を見てもらえばちゃんと通用するし、仕事になっていくんだ、と実感できたことが次につながる収穫でした。これまでは国内の一点物の展示会がメインだったのですが、卸しのことを考える機会になりましたし、今後はジュエリーなどにも挑戦していきたいと思っています。

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RAUBRITTER NECKLACE / 2010-8

アクセサリー制作以外にチャレンジしてみたいことはありますか?

お店ですね。よくカフェと一緒になったお店をやりたいと言う方がいますが、私の場合は居酒屋とお店が一緒になったスペース。アトリエなのですが週に何日間かはお店、何日間かは居酒屋、というのをやってみたいですね。お酒というよりごはんが好きなのです。料理が大好きで忙しいときほどお料理をして息抜きしています。

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国内外でご活躍されてお忙しい日々だと思いますが、休日の過ごし方について教えてください。

休日はあまりないのですが、こうやって遠方でのイベントに参加させていただけることによってそれも半分は旅行の様ように楽しめたり、人との出会い、また現地でいろんなものを見ることで刺激を受けたりしています。あとは、映画を見ようと突然思いついてレイトショーを観に行ったり、と細切れに息抜きをするようにしています。

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ROQUE NECKLACE / 3

マーダーポーレンのアクセサリーをどんな方に身につけて欲しいですか?

普段アクセサリーを身につけない方が、「私、意外と似合うんだ」と言って気に入ってくれたときなどは嬉しいですね。

独学でアクセサリーの制作を始めたそうですが、影響を受けたアーティストはいますか?

たくさんのアーティストの作品からも影響は受けますが、例えば古い時代のホタテ貝の形のブローチとか、自然に咲いているお花とか、アーティストというよりは、そういったものから影響を受けることがほとんどですね。私の先生はお花、とも言えるかもしれません。

今後の予定を教えて下さい。

東京都美術館で行われる自然がテーマとなるメトロポリタン美術館展に際して、リングを展示させてもらいます。また、東京ステーションホテルのリニューアルのにも参加させていただく他、青山のスパイラルのマーケットや三越の展示も行います。

マーダーポーレン・エキシビジョン
会期:2012年9月7日~19日
時間:12:00~20:00
会場:メトロクス札幌
住所:札幌市中央区大通西26丁目1-18 円山アーク1F
TEL:011-615-8777
http://metrocssapporo.jp

Text: Satsuki Miyanishi

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