
ランナウェイ・バニー・シアター・コレクティブは2008年、ローズ大学の演劇専攻の学生たち数人によって始まった。創設メンバーのひとりであるロバート・ハクストンは、この取り組みの立ち上げ時から、さまざまな経歴、専門を持つ卒業生や作家の卵と共に南アフリカにおける芸術の発展を目指してきた。
![]()
BENT written by Martin Sherman, directed by Robert Haxton with Kyle de Boer & Chris Fisher 2009 from The Rhodes University Drama Department © The Runaway Bunni Theatre Collective
ランナウェイ・バニー・シアター・コレクティブについて教えてください。
南アフリカ中のアーティストたちとコラボレートすることで、演劇の古めかしい解釈や鑑賞方法に挑戦しようとするコレクティブ(集団)です。私たちは常に分野を問わず新しい才能との出会いを求め、彼らとのコラボレーションによって演劇の幅を広げようとしています。
ランナウェイ・バニー・シアター・コレクティブ (以下RBTC) という名前の由来は何ですか?
2008年、私がローズ大学で演劇の優等課程に在籍していた際、演出クラスの課題だったマーガレット・エドソン作の「ウィット」の中でみんなが大好きだったのが、劇の終盤で「ランナウェイ・バニー」という子ども向けの本を朗読するシーンでした。もともと私たちは名もなき集団で、自分たちのことをただ「コレクティブ」(集団)と呼んでいました。そして「コレクティブ」として、この「ウィット」をグレアムズタウン・ナショナル・アーツ・フェスティバルで上演しようとしていたのですが、この作品が既に過去に上演されていたことがわかり、代わりにマーティン・シャーマンの「クラックス」を上演することになりました。その際、名前をただの「コレクティブ」から、みんなのお気に入りの「ランナウェイバニー」を付け加え、バニー(Bunny)の「y」を「i」に変えて「ランナウェイバニー・シアター・コレクティブ」が誕生しました。
![]()
CRACKS written by Martin Sherman, directed by Robert Haxton with Zanne Solomon, Shaun Acker & Julia te Reh from The Rhodes University Drama Department © The Runaway Bunni Theatre Collective
いつ、どのようにして活動をはじめたのですか?
自分の演劇集団をつくることは、2007年にUbom!イースタンケープ・ドラマ・カンパニーと共演して以来、ずっと私の夢でした。彼らの芸術の発展に対する理念や姿勢はいつも私のインスピレーションの源です。RBTCはたくさんのかたちでUbom!の影響を受けています。演劇や文学、音楽などの分野であまりにも多くの才能ある学生たちが、大学院へ進まずに教師やその他の職業に就いてしまう。これは南アフリカでは芸術家として生きていくことが難しいからです。
このような背景の中で、RBTCはアーティストたちが孤立せず共に活動できる組合のようなものとして立ち上げられました。2009年に試験的に活動を開始し、2012年に正式名称をもって活動を本格化させました。
アーティストの卵たちを世に出すためにどのような活動をされているのですか?
アーティストたちは、とても素晴らしいアイディアをよく話してくれるのですが、そのアイディアをどうしたら実現できるのかを知りません。実現にはたくさんの情熱、そして時にお金が必要です。RBTCは、その機会を作ろうとしています。例えば、優れたアイディアを持ったアーティストがいた場合、RBTCはお金を集めるためのアドミニストレーターや、プロダクションマネージャー、役者、作家などのネットワークを駆使して実現をサポートします。アーティストたちは、自分たちだけで頑張るのではなく、お互いに協力していけばよいのです。
![]()
RUBBER written and directed by Robert Haxton with Lucy Kruger, Phelo Mthembu & Push Nqelenga 2010 from The Rhodes University Drama Department © The Runaway Bunni Theatre Collective
あなたはRBTCのアイデンティティは”めずらしい”こと、そしてそのめずらしさが表現の幅を生むとおっしゃっています。どういうことでしょうか?
RBTCが他の演劇集団と違うのは、幅広さと企画の自由さです。特定の役者や演出家などによる劇団ではなく、さまざまなスキルを持ったアーティストたちによって構成された集団なので、多様な組み合わせによって今までみたこともないようなものが創り上げられていきます。RBTCの作品はいつも変化に富んでいて、その出来上がりは予測不可能です。したがって、私たちにとって同じタイプの作品を何度も再演することは至難の技です。
RBTCの中で現在進行形のプロジェクトについて教えてください。
今年のグレアムズタウン・ナショナル・アーツ・フェスティバルで上演する新しい演劇、「ドッグヤード」(ロバート・ハクストン作/演出)と「ウィンタースイート」(ジェンナ・ジャルディーニ作/ゲイリー・ハートレー演出)の2作を準備中です。
現在、私たちは若者に文学や演劇を紹介することにも注力しています。そして、いつかは演劇ツアーを行い、人々を元気づけるだけでなく、南アフリカの若者たちの教養を高めていきたいと考えています。
また、これから小さな全国ツアーを行う将来有望な「フットノート」というバンドのサポートもしています。
今後、RBTCはどうなっていく予定ですか?
RBTCは今後とも芸術的な作品づくりとコミュニティづくりの両側面において理念実現のために活動を続けていきます。
今年の後半では、ガンの認知やサポートの向上をコンセプトにした新作も計画しています。
目処としてはあと4年ぐらいですが、将来的にRBTCのレジデントカンパニーも持ちたいと考えています。ただ、これはあくまで構想なのでこれからのRBTCの活動次第ではあります。
The Runaway Bunni Theatre Collective
http://www.facebook.com/TheRunawayBunniCollective
Text: Bertina Appel
Translation: Sayaka Ito