MOUNT ZINE 2

HAPPENINGText: Yu Miyakoshi

今年の3月にサンデイ・イシューで開催され、大好評だった「マウント・ジン」(MOUNT ZINE)の第2回。このイベントは、写真やイラストなどのジャンルを問わず、様々なジャンルのジンを一般公募で集め、その全てを展示、販売しみんなで楽しもうというイベント。今回の会場となった世田谷ものづくり学校にも、沢山のジンを作りたい人、見たい人、買いたい人が集まり、熱気にあふれた。

MOUNT ZINE 2

展示されたジンは全部で190冊。その公募で集められたジンが、審査なしに全て飾られているなんて、とても信じられない。どれもクオリティが高く、その充実ぶりには、ブックコーディネーターの内沼晋太郎氏が『ジンを見るのにこんなに汗をかいたのは初めて』とコメントしたほど。沢山のジンを見るのは大変だけど、訪れた人は『見きれない!』と言いながらも、楽しそうに思い思いのジンを探していた。

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ユニークなのは、訪れた人にお気に入りのジンを一冊は持って帰って欲しい、という思いを込めて考えられた「1ドリンク1ジン」というシステム。入場料の1000円にワンドリンクと500円分のジンチケットが含まれている。

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日大の三好耕三氏のゼミで、三好氏が70年代に制作した写真誌「GRAIN」に影響を受けて生まれたという「the GAZE」

主催者の番場文章氏にジンの魅力について尋ねると、『ジンは、そのものが作品なんですよ』と答えてくれた。ジンは出版物とは違って、作る人がそれぞれの方法で印刷して束ねるので、限られた数しか作れない。また、全てが手造りだからこそ、一冊一冊に不揃いの魅力がある。誰でも始められて、身近な人に見せたり、プレゼントにしたりしたり。マウントジンの応募者には、プロの方もいればアマチュアの方もいる。でも、誰かに伝えたい、という思いはみんな同じ。自由に表現できるのがジンのいいところだ。

DSC01041.JPGSAYONARA ATOM の作品「ペーパートローチ」

1日目には「本とアイディア」のレーベル「numabooks」代表の内沼晋太郎氏、写真家の小山泰介氏、G/P galleryディレクターの深井佐和子氏を囲み、トークショーも行われた。三人がそれぞれにジンをセレクトし、小山氏が写真の見せ方についてコメントしたり、内沼さんが素人としてどうやってジンを見せていくか、などについてコメントしたり、楽しいながらもためになるトークだった。

ジンってどうやって作るんだろう?と思う方も、そもそもジンには決まった作り方がないので、自分のやり方で始めてみるのも一つの手かもしれない。もし、具体的な方法がどうしてもわからない、という人も、今回のようなジンに触れられるイベントで実際にディティールを見てみると、きっと見よう見まねでできるような気がしてくる。

マウントジンは半年に一回ペースで続いていく予定とのこと。次回の半年後、気になる方はぜひ挑戦してみてはいかがだろう。

MOUNT ZINE 2(マウント・ジン)
日時:2011年10月15日(土)、16日(日)
会場:世田谷ものづくり学校(IID)1F マルチプルスペース
住所:東京都世田谷区池尻2-4-5
TEL:03-5481-9011
入場料:1000円(ワンドリンクチケット1枚と500円のZINEチケット1枚に交換)
主催:FFLLAATT / BAMBA BOOKS
https://ffllaatt.com/mountzine/

Text: Yu Miyakoshi

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