ローランド・ベリー

PEOPLEText: Wakana Kawahito

アンディ・ウォーホルといえば、ポップアートの代名詞である。その第三世代として活躍するのが、ロサンゼルス出身のストリートアーティストであるローランド・ベリー。彼のカラフルで挑戦的な作品は多くの人を魅了している。長らくファッション業界でも活躍してきた彼が、今回は初の個展を東京・渋谷の DIESEL ART GALLERY(以下DAG)で開催した。

ローランド・ベリー

今回の展覧会のコンセプトを教えてください。

過去10年間の作品を時系列に展示することで、全体像を見せたかったんだ。入って目の前にあるのが新作で、壁に直接書いてあるものは、今回この会場で制作したもの。壁沿いのシルクスクリーンの作品は大体、2009年以降、それよりも小さなものが、主に2002年〜2005年に描いたものだね。こうして見てみると、小さな作品から段々と大きなものへと変化しているのが分かると思う。

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作品づくりでは色を感じることを大切にしているそうですが、どうして色に興味があるのですか?

色は音楽のようだと捉えているんだ。音楽は普遍的だし、みんな感覚的に反応するだろう。それは色にも共通していると思うんだ。色を使うことで、コミュニケーションが簡単になるし、ものを見て、理解する助けになる。

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壁の作品はギャラリースペースで作ったのですよね?

そう、1日で作ったよ。私はストリートアーティストだから、自分の作品の制作過程に他人や外からの要素が入って来ることに何の抵抗もないんだ。今回もディーゼルのスタッフに協力してもらった。この女性はスタッフの一人なんだよ。
私の作品づくりは、まるでジャズを演奏するように、即興的で、毎回どこに行くのか分からない。いわば、「無計画が計画」なんだ。

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アンディ・ウォーホルの第三世代だとお伺いしていますが。

まず、第三世代の意味を説明すると、アンディ・ウォーホルのファクトリーで働いていたアーティストがいて、その人が教えていた人(第二世代)が私の作品に興味を持って声をかけてくれたんだ。彼から、シルクスクリーンの技法について学んだから、私はウォーホルの孫弟子というか、間接的にその技術を受け継いでいるということになるんだ。

モチーフもウォーホルの影響を受けているように思えたのですが。たとえば、マリリン・モンローなど、アメリカ文化の象徴となるアイコンをたくさん使用していますよね。

マリリン・モンローは美を象徴するものとして、お気に入りのモチーフの一つではあるね。彼女の顔に加工をして醜くすることで、美と醜を対比させているんだ。

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アーティストとしての信条は何ですか?

常に自分にハードルを課して、挑戦していくことが、アーティストとしての私の生き方。ファッションブランドでのデザインもしているので、9時〜19時まではデザインの仕事や自分のスタジオの経営などの仕事をしている。それが終った後にペインティングの作業が始まるんだ。19時〜深夜2時、時には早朝4時頃までになることもあるよ。ハードワーカーと言う人もいるけど、アーティストとして生きているのだから、まったく苦にならないね。

また、ストリートアーティストとしてのこだわりは、たとえ危険が伴っても(警察につかまりそうになっても)人がやらないことをやるということ。つまり、目立って見つかりそうな場所に日中に作品を貼ることだったり、たとえ制作に1ヶ月以上掛かった作品であっても躊躇無く貼って置き去るということかな。

たとえば、シルクスクリーンのこの作品をホームレスが眠っていたところの壁に、彼を起こさないようにしながら、貼ったことがあるんだ。しかし実はこれはギャラリーでは結構な値段で販売されている。アートマーケットでは高い値がつく作品だけど、ホームレスにはタダでプレゼントする。これが面白いんだ。

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あなたの絵をストリートに貼ると、警察などにすぐはがされてしまうかと思いますが、それでもかまわないのですか?

たとえ絵が破られても、はがされてしまっても、それはたいしたことではないんだ。一瞬でも人々の感情に訴え、質問を投げかけることができれば、それはとても意義があることだから。

私はいつも何かに「挑戦する」ということを念頭に置いて、作家活動を行なって来た。それは社会に対する挑戦でもあるし、私自身に対する挑戦でもある。今後も、恐れること無く、挑戦を続けていくよ。

ローランド・ベリー「COLUR IN THE STREET」展
会期:2011年8月26日〜11月13日
時間:11:30~21:00(不定休)
会場:DIESEL ART GALLERY
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1
TEL:03-6427-5955
http://www.diesel.co.jp/art

Text: Wakana Kawahito
Photos: Ken Kato

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