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アンナ・グレイ&ライアン・ウィルソン・ポールセン

PEOPLEText: Nat Andreini

アンナ・グレイとライアン・ウィルソン・ポールソンというアーティストがいる。彼らの着想に根ざした活動は、歴史、小説、自叙伝や美術解説を多岐に渡る作品群へと融合させる。それは、ポスタープロジェクトや彫刻、マルチメディアインスタレーションから出版、索引、そしてパフォーマンス講義にまで至る。この2人は彼らの属するPDXコンテンポラリーアートのあるオレゴン州ポートランドで生活を営みながら活動している。さらに、お互いがパシフィック・ノースウェスト美術大学でインターメディアの美術学士号を取得、そしてポートランド州立大学で現代アート実践の美術修士号を修めている。

Anna Gray & Ryan Wilson Paulsen
© Anna Gray & Ryan Wilson Paulsen

いつから作品作りを共に始めたのか、どのように始まったのか聞かせて下さい。

一緒に活動を始めたのは2005年に出会った頃まで遡るかな。2人ともパシフィック・ノースウェスト美術大学(PNCA)で同じ科学の授業を取っていました。ライアンが作った小冊子を見る機会があって、何かのリストであったと思うけれど、その下に彼の住所が載っていたんです。それでメモと一緒に自作した本を彼の元に送りました。彼が同じ科学のクラスのクラスメートだとは全く知らずに、手紙を通してのやり取りが始まったんです。そして最終的に話をし始めて、ある日、ライアンがみんなの前で私を呼び出して尋ねたの。「そしたら今夜は何時に夕食にお邪魔したらいい?」どう答えればいいのか分からなかったから、9時に来るように伝えたらその通りにやって来たわ。そんな感じ。それからほとんど帰ってないわね。彼は鳥小屋の上のほったて小屋に住んでいたんだけど、その頃は既に11月だったから、そんな寒い家で寝に返す分けにもいかないでしょ。

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“every which way” Graphite, books, boat, sand, video, Dimensions variable, 2007 © Anna Gray & Ryan Wilson Paulsen

初の共同作品となったのはどんなプロジェクトでした?

初共作として一緒に展示したのは「every which way」と名付けたインスタレーションで、探索、探求、そして発見への行為を題材としています。アーティストや思想家、そして、バス・ヤン・アデルやアラン・ボンバール、ベルナール・モワテシエール、ドナルド・クロウハーストといった冒険家達の遺産を描き出したもの。大きな壁一杯の世界探索の絵を用いて、世界の大洋の地図には幾つもの海原探検の物語を記しながら潮流を書き込んで、大量の砂の上には手作りの模造船を乗り上げさせてね。船のキャビンは取り付けられた小さなビデオモニターに照らされて、そこから海原の映像が映し出されていた。その時点から私たちは共に活動を始めた感じ。

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“Modular Mondrian Block Set” Painted wood, 18″x14″x2″, 2010 © Anna Gray & Ryan Wilson Paulsen

お二人は結婚をし、そしてコラボレーションをしています。それはどういった経験でしょうか?

連帯感の秘訣といった意味では少し度を越した面もあるけど、全般的に驚くほど素晴らしくて、そのリスクに値することに疑問の余地はないわ。私たちは2人で完全に相互補完する環境を作り上げたの。それは日常生活、職場、そして共に教鞭を取るまでに至って、私たちの職業やアーティストとしての生活はプライベートと密接に絡まり合っている。孤独を感じることが滅多にないの。こういった種類の継続した親密さから得るものはより沢山のことを成し遂げることができるということと、細かく区分けしないということ。アートに関連した話題が尽きることは決してない理由は、時として一緒に一つのことに取り組んだり、日常生活のサイクルや外界との触れ合いを共に補完し合っているからだと考えているの。

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