ワイレッド

PEOPLEText: Victor Moreno

デザイナーとして影響を受けた人物はいますか?

シンプルなブーツ、ミリタリー系のニットとパーカを仕立てのいいシャープなスーツでまとめ、独自のモッズ哲学を表現するポール・ウェラー。ストリート・スマート・クラシックにモダンさが融合したデヴィッド・ボウイとルー・リード。それから、いつもシャープな着こなしのアラン・ドロンには影響を受けましたね。女性ではジェニファー・コネリー、ソフィア・コッポラ、ビアンカ・ジャガーや、より男性的なティルダ・スウィントンやパティ・スミスがいます。特定のファッションスタイルというよりも彼ら自身の持つ雰囲気が重要なのです。私たちのブランドをぜひ身に付けていただきたいですね。

ワイレッド・アート・プロジェクトと次のコラボレーションについて教えてください。

私のアートに対する興味は、「アートプロジェクト」と銘打った友人達との一連のコラボレーションの中で浮き上がってきました。ヨーケム・ノルドストリョームはアンダーウェア製品のために模様をデザインしてくれました。ロジャー・アンダーソンはレザーバッグのプリントを制作してくれましたし、ヨナス・ノーベルは傘とスカーフのデザインを手掛けてくれました。現在はリリエバルク美術館とより大きなコラボレーションに取り組んでいて、何人かの新進気鋭のアーティストや往年の素晴らしいアーティスト達と組むことになるでしょう。まだ準備中でもあり、これ以上はお話しできませんが…。

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Whyred SS 2011 collection

ワイレッドの重要な要素である音楽について教えてください。ショーでパフォーマンスを行ったバンドはいますか?

そうですね、音楽からの影響はとても大きいですし、私たちのインスピレーションの元となる人には多くのミュージシャンがいます。店内では特別にセレクトした音楽を流しており、全てのショーには注意深く決められた音楽的テーマがあります。ショーの中で生のバンドパフォーマンスを行ったことはありませんが、スウェーデンのミュージシャンのマーカス・クルネゴードと、ヴィクトリア・バーグスマン(ティクン・バイ・トゥリーズ/ザ・コンクリーツ)による、ザ・デッド・ボーイズの「エイント・イット・ファン」、ジョン・ケールの「1999」、そしてカエターノ・ヴェローゾの「マリア・ベタニア」のカバーアルバムを2009年の秋冬コレクション用に制作しました。2011年の秋冬コレクション用にはヨハン・ヒンデシュ(オーディオノーム/フェ)とのコラボレーションを計画しています。

新旧どちらのバンドがお好きですか?それとも両方お聞きになるのでしょうか?

両方です。これまでのバンドですと、デヴィッド・ボウイ、シルバーブリット、ザ・スミス、テレビジョン・パーソナリティーズとヴェルヴェット・アンダーグラウンドを常に聴いています。新しいバンドでは、オーディオノーム、ソフト・ムーン、ザ・ホラーズ、サン・アロー、ホワイト・フェンス、クロマティックス、ハイプ・ウィリアムス、そしてサレムを聴きますね。

ワイレッドのショップでは優れた本も取り扱っています。興味深いアーティストのものから素晴らしいビジュアルのものまで様々です。

ショップに置かれている本は、私の本棚コレクションをモデルにしていて、コレクションを通じて表現しようとしているブランドのデザインプロセス、スタイリングや考え方について、お客様のインスピレーションとなる役割を果たしています。常に手の届く範囲に私が置いている本で、シンディ・シャーマンヘルムート・ニュートンオラファー・エリアソン、そしてヒッチコックのスタイルやポール・ウェラーの生き方を扱ったものなどがあります。

Text: Victor Moreno
Translation: Kazuyuki Yoshimura

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