プレート・インタラクティブ

PEOPLEText: Minnie Pommiegranate

プレート・インタラクティブ

シーン・ラムのキネティック・インタラクティブでの10年間強の間に手がけた作品を集めたポートフォリオには、D&AD、FWA、アート・ディレクターズ・クラブ、HOW、ウェビー賞、クリオ、アドフェスト、ワンショー、カンヌ国際広告祭など、多数の受賞作が並ぶ。2009年、そんな影響力のある受賞多数のエージェンシーを辞めて共同で立ち上げたのがプレート・インタラクティブだ。そこでシーンは、これまで追求してきたものから一歩後ろへ下がり、よりハンドクラフトな魅力を模索するべく前へ進むことにした。

SHIFTは、シンガポールにあるショッピングセンター内にひっそりと佇むプレート・インタラクティブのすてきなオフィスを訪ねた。

この新しい会社のロケーションとしては、場違いな感じも少ししますが、この気取らないロケーションを選択したというのがいいですね。

会社のあるゴールデン・ランドマークという場所は、確かに自分たちのスタジオのロケーションとしてはあまり向いてないところですよね。まず、僕たちの会社は、このショッピングセンターの看板に掲げられているように”200の最高のショップ”の内のひとつでもあります。そして、とても古いショッピングセンターであり、その”ショップ”は、流行に敏感な人たちがくるような場所ではありません。それは、この場所が街の中心部に位置しているということであり、古い建物故に家賃が手頃ということでもあります。更なる魅力は、この周辺でイスラム料理が食べられること。見た目だけを意識するような人にはびっくりするような場所だけど、すてきなところなので僕たちは気に入ってます。

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プレート・インタラクティブについて教えてください。

2009年10月に立ち上げました。インタラクティブ業界で10年以上を過ごし、ようやく「自分自身の小さなボートを漕ぐ」時が来たと考えるようになりました。馬鹿なことだと思う人がいるかもしれせんが、小規模ながらハングリーに独立するというアイデアのほうが好きなんです。インタラクティブ・エージェンシーがデジタルデザインのベテランのグループで構成されているように、プレート・インタラクティブは、卓越したクラフトとケアでプロジェクトに取り組むことができるのです。

この新しいスタートから何か改革の機会や新しい方向性は生まれましたか?

仕事の目的は、常にコンセプチュアルに、精巧に、プロジェクトに取り組むことです。どちらかと言えば、この新しい出発が、プロジェクトに対して独自の”プレート”スタイルを注入することで、よりパーソナルな作風を生む機会をもたらしてくれています。

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“プレート”スタイルが一番顕著に表れているのがおそらく自社サイトではないかと思います。ハンドメイドのクラフト作品やアニメーションをたくさん拝見しました。アナログな作品の魅力は何ですか?

プロジェクトでハンドメイドのクラフトを使うことで伝わる、ある種の正直さと純粋さがあります。”冷たい”デジタルメディアに人間的な要素を生みます。セルフプロモーション的なウェブサイトを展開し、クラフトを大切にしているというプレート・インタラクティブの個性を反映したかったのです。ウェブサイトを”つくる”のに、自分の手を使う以外に良い方法はあるでしょうか。事実、その制作行程はとても楽しく、それは作品をみても明らかですし、自分がやろうとしていることのポイントでもあるのです。作品は常にそれ自体が語るものです。

影響を受けているものは何ですか?

オスカー・フィッシンガーチャーリー・ハーパーです。また、子供のつくるアートワークからもインスパイアされますよ。たまにYouTubeで、70年代や80年代の子供向けテレビアニメを見たりします。

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Contribution for Underscore Magazine

多くの人がストレスを抱えるような業界にいて、ご自身の情熱をどのように維持していますか?

この業界は常に進化し、それに追いついて行かないとならないので、確かにひどく負担のかかるところです。常に新しいスキルを習得しそれに慣れないとなりません。でも、僕のフォーカスはいつもアイデアやクラフトと組み合わせた視覚的なものに向いているので、自分のクラフトに対する情熱を抑制しないようにしています。必ずしも最新である必要はなく、一番適した技術を使用します。また、ものごとを”きっちりと”行うことを誇りとし、手抜きは嫌いで、そうするような状況はゆっくりと、でも確実に疲労へと導くのです。

情熱を維持することに関して、僕は常に個人的な興味をできる限り含めるようにしています。アニメーション、ハンドクラフト、イラストにとても興味があるので、僕の手がける仕事の多くがその分野からのものが多いです。僕は自分が本当に楽しんでいるもので生計を立てることができて運が良いと思っているんです。もし、やっていることが大好きなら、それは仕事というものではないんじゃないかと思います。

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今後この業界で頑張りたいという人達に何かアドバイスがあればお願いします。

正直に、真剣に仕事に取り組んでください。でも不必要なプレッシャーを自分にかけないように。つまらない仕事に不平を言わないように。それが僕たちの住むリアルな世界なのだからね。代わりに、訓練し、制約の中で仕事をして、きちんと達成された仕事をてがけることに誇りをもつこと。クライアントは感謝しますし、次第に信用を得ます。そして、あなたのアイデアによりオープンになってくれるはずです。ディテールにこだわりましょう。他と比べて自分が際立つようになります。楽観的でいるのもいいですね。でも失敗にも準備しましょう。あっという間にたどり着く勝利からは何も学べないということを覚えておきましょう。

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1000 Singapores

どんな種類のプロジェクトに一番満足感を感じますか?

とても厳しいガイドラインが設定されているプロジェクトを手がけるのはチャレンジなことですよね。よくできた時に達成感をどれだけ感じるかという意味では、自由にできたコミッションワークを完成させることに、まだ一番満足感を感じます。そんなクライアントからの僕に対する完全な信頼は、心から彼らの興味を追求し、確実にそれが自分の最大の力を出す原動力になっているんです。

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Games We Played by Singapore National Library

現在はどんなプロジェクトを手がけていますか?

シンガポール・ナショナル・ライブラリーによる子供の頃の思い出に基づいたプロジェクトを制作しています。他に、ローカルで新進気鋭のスキンケアブランドのオンラインショップ、デザイナーでハンドクラフト製品を手がけるミミポンのウェブサイトなどです。

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オフィスでの日常はどんな感じなのですか?

プレート・インタラクティブは、11時30分に業務スタートします。朝は娘を学校に送ったりしないとならないのでね。「kopi-o」と呼ばれるブラックコーヒーで1日が始まり、仕事を始める前にまず、オンラインでニュースを読んだり、インスピレーションとなるものを見つけたりします。忙しくないときは、オンラインゲームなどをしてゆっくりとした時間を過ごします。あとは大抵、目はスクリーンに、手はマウスにある時間を過ごしています。

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The Sleepies for www.platonique.net

今回手掛けて頂いたカバー作品について教えてください。

コットンボールのアルファベットで「SHIFT」と打つタイプライターというアイデアを思いつきました。それと同時に、「視点がシフトする」というアイデアをベースにしたアニメーションもつくりました。これは、娘のオモチャをいくつか組み合わせて「shift」という文字が、ある一定の角度でだけ現れるというもの。カバーデザインはとても楽しんで制作しました。このような機会を頂けてとても光栄に思っています。

ありがとうございました!今後の活躍を楽しみにしています。

Text: Minnie Pommiegranate
Translation: Mariko Takei

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