NIKE 公式オンラインストア

ジョン・ウー

PEOPLEText: Emma Chi

8日間にわたって開催された第13回上海国際映画祭も、金爵賞の発表とともにフィナーレを迎えた。中国映画界が最盛期を迎えつつある今、国際的に影響力を持つ監督の考えを知っておくことは大切だろう。そこで、この映画祭の審査員長を務めるジョン・ウー監督にお話しを伺った。

ジョン・ウー

中国系アメリカ人のジョン・ウー監督は、中国広州市にて1946年9月22日に誕生。4歳の時、家族とともに香港へと移り、やがてハリウッドでの成功を手に入れた。今や世界的に影響力を持つ、数少ない中国人監督の一人である。現在はアメリカ在住だ。彼が世に送り出してきた映画は、成功し続けてきた。彼はまた、映画の美を追及してきたことでも知られている。昨今のアクション映画においては、”素晴らしい暴力の美である”と称賛された。彼の主な作品は、「男たちの挽歌(1986)」「狼/男たちの挽歌・最終章(1989)」「狼たちの絆(1991)」「ブロークン・アロー(1996)」「フェイス/オフ(1997)」「ミッション:インポッシブル2」「レッドクリフ(2008, 2009)」。これらの映画を見た観客は、鮮烈で凍りつくようなスリルを味わうと同時に、信念を貫く勇敢なヒーローに熱く共感したに違いない。

RedCliff%203.jpgRedCliff%201.jpg
「レッドクリフ」(2008)

第13回上海国際映画祭の審査員長の立場から、今年度の映画祭に関して感想を教えてください。

まず初めに、映画界の仲間と一緒に映画祭を実行できたことを光栄に思っています。そして、全ての作品に感謝しています。今回の映画祭参加者は本当にすばらしく、このような才能ある若い監督たちと映画祭を作り上げることができ、大変うれしく思っています。また、今回から、経験を問うことなく、制作活動の長い監督の作品にも光を当て、彼らの素晴らしい作品を紹介しました。また、今回は、様々なジャンルの作品を取り上げました。このように多種多様な作品を紹介することは、国際映画祭として大切なことだと思っています。

RedCliff%202.jpg
「レッドクリフ」(2008)

では監督の立場として、先鋭的な映画についてどう思われますか?

昔の映画は、その時代の流行に寄るところが大きかった。しかし、映画の根底は、新しいことに挑戦し続けることにあるはずと思っています。流行を追わないこと、目の前にあることに目を向けないこと、を私はいつも主張しています。映画が観客にあまり受けいれてもらえなかったとしても、特に若い監督にとって、それは大切な経験です。どんな監督でも、絶対に成功する映画などはつくれません。失敗を重ねて、学んでいくしかないのです。
また、映画の多様性も重要です。監督一人一人に個性があって当然なのです。ですから、若いうちから、自分のスタイルを大切にしてほしい。武術映画に詳しくないのであれば、武術映画は撮らないことです。かつて香港では、誰もが同じタイプの映画、つまり武術映画を次々と作りました。観客はいつも同じような映画を見るしかなかったのです。やがて、それが原因で映画市場が縮小した時には、救いとなるような他のジャンルの映画は一つもありませんでした。

RedCliff%204.jpgmission_impossible_iii_ver2.jpg
「レッドクリフ」(2008)

新作映画「レイン・オブ・アサシンズ」では、何か新しい挑戦を試みていますか?

この作品は、サスペンス溢れる時代映画で、武術にも新しい要素を加えました。脚本が本当に良くできていて、非常に豊かな感情表現が織り込まれています。武術映画としては非常に珍しく、女性の視点から描かれた映画となっています。

Read more ...

[Help wanted] Inviting volunteer staff / pro bono for contribution and translation. Please e-mail to us.
アドリアン・M/クレール・B
MoMA STORE