THE ART HOTEL NEST TOKYO

HAPPENINGText: mina

東京の湾岸エリアにある古い印刷工場をコンバージョンし、2010年5月に誕生した「タブロイド」で、新たなアートな試みが始まった。東京を象徴するような新進作家が巣立っていくことを願い、立ち上げられたプロジェクト「THE ART HOTEL NEST TOKYO」だ。その第一弾として、リトゥンアフターワーズの第6回コレクション「罪と罰」が6月12日に開催された。

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Photo: mina

「THE ART HOTEL NEST TOKYO」は、コンセプチュアルなスタジオ運営を行っている、株式会社ソウルプラネットが立ち上げたアートプロジェクト。写真にまつわる環境や人材を提供していた同社が培ってきたクリエイティブ層のネットワークを、新たな東京のムーブメントに昇華させる場所ときっかけとして独自に発信していくことを目的にしている。

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Photo: mina

17時の開場時間を待ちきれないように、多くの人々が建物周辺に集まりだした頃、会場内のスタジオエンパイアでは、建築家・谷尻誠氏による天井全体を使った光のインスタレーションとリトゥンアフターワーズのショーリハーサルが入念に繰り返されていた。布と照明の間にアルミホイルを重ね、そこに光を反射させて揺らぎを生み出した天井の光は、自然により近い、緩やかな揺らぎのある空のような表情を生み出していた。

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© soulplanet

そして、「神々のファッションショー 〜神さまからの贈り物〜」「Graduate Fashion Show 〜0点〜」などのコレクションでもメディアの注目を浴びた、リトゥンアフターワーズの最新コレクションでは、一般が入場できる初の試みということで、ショーの終了後にはバックステージで受注展示・販売会が行われた。興奮冷めやらぬバックステージで1着から個人オーダーが可能となり、ファンにとっても貴重な体験になったはずだ。

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© soulplanet

また、2階では「ここのがっこう」の卒業制作の展示と「ドリフターズ・インターナショナル」との公開授業なども同時に開催された。

後日、ファッションの現場を如何にリアリティーを持って伝えるかを考え、今回このアートプロジェクトに参加したという、リトゥンアフターワーズのデザイナー・山縣良和氏に幾つか質問を投げかけてみた。

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© writtenafterwards

今回のテーマは「罪と罰」ということで、ファッションにおける許される“いたずら”を表現したということですが、最新コレクションについて教えてください。

今回ローティーン世代をイメージしてコレクションを制作しました。少女、その聖なる時代に、不純性と純粋性を持って介入出来る(もしくは許される)のは、同年代の男の子のみです。男の子は女の子に興味を持ち沢山のいたずら、子供時代特有の罪があります。スカートめくりをしたり、女の子の部屋をのぞいたり、パンツを盗んだり。そのような女の子に対するいたずら心をもって制作しました。大人が、女の子にいたずらをすると、それは許されない罪です。

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© writtenafterwards

ショーでのヘアメイクについて教えてください。

ローティーンによるファッションの成熟性と、未熟なまま大人になってしまう現代の若者の現代的な現象のパラドックスをショーで表現しています。そして、最も新鮮でファッショナブルな少女は、回り回って、おばあちゃんファッション。子供にも見えるし、老婆にも見える、究極の成熟したガーリーファッションをヘアメイクによって表現しました。


© soulplanet

物干竿に袖を通したモデルの衣装について教えてください。

いたずらをして罰せられる(干される)事をイメージしました。また、ファッションにおいて干されることへの、僕の恐怖感も表現しています。その思いを干された少年に演じてもらいました。そして、実際にいたずらをしたのは大人であるデザイナーであり、実は干された少年は何もしていません。キリストもそうであったように、無実の罪に問われた少年(無罪)と背後にある黒幕(ダメなデザイナー)を表現しています。

『罰せられたくないな、でも、罰せられるのかな』とコレクション前にお話されてましたが、今回のコレクションはファッション業界に罰せられるでしょうか?(笑)

すでに受けています(苦笑)。ファッションは、限られた人のためのものではなく、民主的であるべきです。より多くの人が参加し何かを感じ、表現するものだと思います。その部分は揺らぎません。最も大切な事は、批判する事でも批判される事でもなく、ファッションに対しての愛情だと思います。愛情がなければ、ファッションは育ちません。

今後も自由なアートシーンの創造が、「THE ART HOTEL NEST TOKYO」から旅立っていくことに注目したい。

THE ART HOTEL NEST TOKYO
開催日:2010年6月12日
会場:タブロイド
住所:東京都港区海岸2-6-24
TEL:03-5484-7704(株式会社SOULPLANET
info@planetstudio.jp
http://www.soulplanet.jp

Text: mina

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