THE ART HOTEL NEST TOKYO

HAPPENINGText: mina

後日、ファッションの現場を如何にリアリティーを持って伝えるかを考え、今回このアートプロジェクトに参加したという、リトゥンアフターワーズのデザイナー・山縣良和氏に幾つか質問を投げかけてみた。

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© writtenafterwards

今回のテーマは「罪と罰」ということで、ファッションにおける許される“いたずら”を表現したということですが、最新コレクションについて教えてください。

今回ローティーン世代をイメージしてコレクションを制作しました。少女、その聖なる時代に、不純性と純粋性を持って介入できる(もしくは許される)のは、同年代の男の子のみです。男の子は女の子に興味を持ち沢山のいたずら、子供時代特有の罪があります。スカートめくりをしたり、女の子の部屋をのぞいたり、パンツを盗んだり。そのような女の子に対するいたずら心をもって制作しました。大人が、女の子にいたずらをすると、それは許されない罪です。

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© writtenafterwards

ショーでのヘアメイクについて教えてください。

ローティーンによるファッションの成熟性と、未熟なまま大人になってしまう現代の若者の現代的な現象のパラドックスをショーで表現しています。そして、最も新鮮でファッショナブルな少女は、回り回って、おばあちゃんファッション。子供にも見えるし、老婆にも見える、究極の成熟したガーリーファッションをヘアメイクによって表現しました。


© soulplanet

物干竿に袖を通したモデルの衣装について教えてください。

いたずらをして罰せられる(干される)事をイメージしました。また、ファッションにおいて干されることへの、僕の恐怖感も表現しています。その思いを干された少年に演じてもらいました。そして、実際にいたずらをしたのは大人であるデザイナーであり、実は干された少年は何もしていません。キリストもそうであったように、無実の罪に問われた少年(無罪)と背後にある黒幕(ダメなデザイナー)を表現しています。

『罰せられたくないな、でも、罰せられるのかな』とコレクション前にお話されてましたが、今回のコレクションはファッション業界に罰せられるでしょうか?(笑)

すでに受けています(苦笑)。ファッションは、限られた人のためのものではなく、民主的であるべきです。より多くの人が参加し何かを感じ、表現するものだと思います。その部分は揺らぎません。最も大切な事は、批判する事でも批判される事でもなく、ファッションに対しての愛情だと思います。愛情がなければ、ファッションは育ちません。

今後も自由なアートシーンの創造が、「THE ART HOTEL NEST TOKYO」から旅立っていくことに注目したい。

THE ART HOTEL NEST TOKYO
開催日:2010年6月12日(土)
会場:タブロイド
住所:東京都港区海岸2-6-24
TEL:03-5484-7704(株式会社SOULPLANET)
info@planetstudio.jp
https://www.soulplanet.jp

Text: mina
Photos: mina

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