ベックマンズ・デザイン学校展示会「IN A PERFECT WORLD…」

HAPPENINGText: Victor Moreno

ストックホルムで開催されたバーンズ・ファッション・ウィークと同じ日、ベックマンズ・デザイン学校は12人のファッション専攻の学生による展示会を開催した。コンセプトは、現在のファッションの流れに新たなものを加えるような服を各々が3、4着作成するというもの。広告・グラフィックデザイン専攻の3年生も参加し、作品一つ一つを表現する映像も撮影している。

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この試みは学生たちにとって実に大きなものとなるであろう。彼らは、直接消費者に触れ、かつ他の専攻の学生と共に一つの作品を作り上げる事ができるのだから。

偏見から開放され、規則や売上げ戦略なども関係ない創作活動、そんな「In a perfect world…(完璧な世界では…)」と名づけられたこの試み。大学内の2つの専攻が参加して行われており、現在のビジネスの中にある枠組みを修正することを目的としている。

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12作品はそれぞれに映像も付け、ファッションデザインとコミュニケーションの領域が共存している範囲へと踏み込んでいく。それぞれの作品名は、展示会自体のタイトルへと繋がっていく。ここで、そのいくつかを紹介しよう。

In a perfect world… fashion cast spells(完璧な世界では…ファッションは魔力を持つ)」と題するこの作品はファッションデザイン課程に在籍するエリック・アンネルボルンとアートディレクションを専攻するキアン・スビックーとフィリペ・テンペルマンが共同で作成した。彼らにとっては変化こそが最も大事なものだという。

数組のアートディレクション専攻の生徒と共にファッションデザイン専攻のヘイディ・ニラウセンが作成したのは「In a perfect world… There´s just us(完璧な世界では…そこにいるのは私達だけ)」。サブカルチャーが持つ美学に詩的に訴えかけてくる、まさに壮大な作品となっている。

アートディレクション専攻のエレナ・ベッケルとリサ・ニューマンがファッションデザイン専攻のクララ・スョンス・ニルソンと制作したのは「In a perfect world… imagination adds a new dimension(完璧な世界では…想像力が新たな次元を生み出す)」。ファッションデザインは3次元で作られているのに、実際にそれが表現されているのは2次元のメディアなのだ、ということを伝える作品だという。

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広告・グラフィックデザイン専攻の主任教官であるアンニカ・ベルネルに、このプロジェクトについて話を聞いた。

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