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HIGH5 3

HAPPENINGText: Kayo Tamura

2010年1月23日、横浜港の大さん橋ホールでにてクリエイティブ・カンファレンス「HIGH5 3」が行われた。HIGH5はクリエイティブポータルサイトHITSPAPERが企画し、今回で3日目となる。テクノロジーの発達やグローバリズムによって、世界規模で世界基準・規格が求められフラット化の波が様々な業界の淘汰を促していることを背景に「ガラパゴス」をテーマに、6名がプレゼンテーションを行った。

去年同会場で行われた「HIGH5 2」は、雨という悪天候だったが、今年は晴天で天気にも恵まれた。大さん橋ホールは、外に出るとデッキがある海の見渡せる環境で、汽笛の音などが鳴る、都会ではなかなか味わえない場所であった。

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Speaker 01 SHIMURABROS

1組目は映像作家の「SHIMURABROS.」から始まった。SHIMURABROS.は、志村諭佳(姉)と志村健太郎(弟)による兄弟ユニット。2007年カンヌ映画祭に参加し、映像作家として注目を集めている。3次元化された「X-RAY Train」などの話が聞け、今後の新たなインスタレーションや実験的映像がとても楽しみだ。

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Speaker 02 志賀理江子

2組目は、写真家の志賀理江子。2008年に木村伊兵衛写真賞を受賞し、若手の写真家として注目されている人物である。話の中心になったのは、HIGH5 3が行われた翌日に出版された、1000冊全て手作りの「カナリア門」。その本ができるまでのストーリなども語ってくれた。一つ一つの写真に長いプロセスとストーリーがあり、独自の感覚と、その発した言葉の強さに思わず、引き込まれてしまうようだった。

梅が発光しているような写真があった。この写真はもう咲かない梅の木に紙の花を作って、死んだ梅の花を咲かせたもの。梅の木を育てていたおばあさんに届けた写真である。『やさしさとかではなく、見てしまった責任。』と語った。独自の世界を持ち語られた話は、とても素晴らしいプレゼンテーションだった。

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Speaker 03 Klein Dytham architecture

次にプレゼンしたクライン・ダイサム・アーキテクツは、建築、インテリアだけに限らず、インスタレーションやイベントなど幅広く活動しているイギリス出身のアストリッド・クラインとマーク・ダイサムによるデザインユニット。メンバーのマークは当日子供が生まれるということで欠席したため、今回はクラインのみによるプレゼンテーションとなった。プレゼンテーションでは、内装を手がけたウェブ制作会社カヤックの写真を例に上げながら過去の作品を紹介。

そして、今では276都市で行われているぺちゃくちゃナイトについては、スーパー・デラックスがなければ始まらなかったと語った。ドラックなどのイメージが強かったボゴタでも、ぺちゃくちゃナイトは行われ、そこで行うことによってこんなに面白い人もいるという発表になるのだという。ぺちゃくちゃナイトの可能性を改めて実感し、今後の展開も期待したい。今年で来日20周年を向かえたというクライン・ダイサム・アーキテクツは、建築家の枠にとどまらないユニットだと改めて感じ、とてもよい刺激になった。

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