中国美術展 上海摩登–SHANGHAI MODERN-

HAPPENINGText: Mariko Takei

2月5日から開催されるさっぽろ雪まつりの開催と時を同じくして、雪まつり・大通り会場からすぐに位置するギャラリーCAI02では、中国・上海を代表する現代美術作家8名による展覧会「中国美術展 上海摩登–SHANGHAI MODERN-」が2月6日より開催される。

o0800109510376211541.jpg

今回出展する8名のアーティストは、上海をベースに国際的に活躍する、ほぼ全員が60年代生まれの現代アーティストだ。今回の参加作家には現在の中国現代美術界をリードする面々が揃い、7名が平面、1名が映像作品を、CAI02とギャラリー門馬の2会場で展開する。

今回、自らもアーティストであり、展覧会場のCAI02を主宰する端聡氏より中国美術展開催の背景など話を伺った。

3711638957_0de8b94155.jpg
「雪国の華」展 / Photo: Shie Sato

ここ数年、世界中で注目を浴びている中国現代美術を札幌で展開することになった背景には、昨年6月に上海にて北海道を拠点に活躍する現代美術作家11名によるのグループ展「雪国の華」の開催がきっかけだったそうだ。『この展覧会は、上海のモーガンシャン・ルーと呼ばれるM50芸術区にあるギャラリー3カ所で去年6月20日より4週間開催されました。実はちょうど中国では北海道ブームだったのです。4000年の歴史のある中国で興行成績が1位という記録を作った映画が北海道を舞台にしたということもあり、そのこともあってかオープニングには1300人が来場してくれました。』

3712452368_99252f3835.jpg
「雪国の華」展 / Photo: Shie Sato

この「雪国の華」展を開催するきっかけを作ってくれたのが、北海道・新得町出身の同展のディレクターを務めたOffice339の鳥本氏だ。日本・中国間において現代アートを紹介している、上海を拠点にアートのディレクションをされている鳥本氏から誘われ、北海道の若手アーティストを海外に発信したいと常日頃から活動されている端氏との考えとも一致したこともあり、「雪国の華」展の上海開催に至ったという。

そして、端氏の言うように実は中国では今、空前の北海道ブームだ。その火付け焼くとなったのが、釧路阿寒湖など北海道の東のエリアを舞台にした、2008年公開の映画「非誠勿擾」(フェイチェンウーラォ)の大ヒットだ。事実、札幌の街では中国から訪れる観光客のグループを多く見かける。映画効果もあったのか、幸運にも、多くの人を呼び込む結果となった上海での札幌発アート展は、会期通して8000人もの来場者を動員という大成功のうちに終了を迎えた。

『来場者の中にはギャラリストやアーティストも大勢見に来てくれました。これまで中国では北海道のアートが今まで殆ど紹介されていなかった訳です。今回の展覧会で北海道のアートの状況を見て、完成度が高い作品が揃っているというギャラリストやアーティストの評価があり、更に北海道ブームというものがある中で、北海道で展覧会をやりたいというアーティストが続出したのです。』

IMG_2031-1.jpg
Xue Song「意象書道」/ Photo: Yoshisato Komaki

そこで、今度は札幌から上海のアーティストを招いて開催することになった「中国美術展 上海摩登–SHANGHAI MODERN-」。参加したいと名乗りを上げるアーティストには、現在の中国の現代アートをリードしている実績ある作家ばかりで驚いたという端氏。ベネチア・ビエンナーレや横浜トリエンナーレに出展し、2007年にはエルメスのスカーフのデザインを手掛けた経験をもつディン・イー、上海美術館執行館長で世界各地で個展を開催しているリ・レイ、上海生まれの抽象画家であり書家のファン・ユァンチェン、歴史的・政治的モチーフをコラージュした作品を手掛け、2009年アートバーゼル・マイアミビーチにも出展経験のあるシュエ・ソン、文字を用いた抽象画を手掛けるパン・ウェイ、様々な素材を使ったドット画を手掛け、上海美術館で個展を開催したこともあるチェン・チャン、2000年上海ビエンナーレに参加したチュ・フェングオ、この中では唯一70年代生まれで中国国内では絵画、海外では映像作品を発表してきているジン・ヤンピンの8名が上海モダン(摩登)な世界を繰り広げる。

IMG_1908-1.jpg
Jing Yangping「霊園」/ Photo: Yoshisato Komaki

去年の上海での展覧会を第1歩とすれば、今回の札幌での展覧会を第2歩として、今後も中国とより密接な文化交流を行っていきたいと語る端氏は、もともとドイツをはじめ欧米との交流を重ねてきた経験があり、これまでに全く交流のなかった中国との交流を始めていきたいと意気込みを見せている。その先には、長年構想を進めている「札幌ビエンナーレ」を実現させたいという思いが広がっている。『札幌市が中国との交流を重点においている中で、芸術・文化レベルでも文化外交を強くしていくことが今後の札幌で重要になってくるわけで、それは僕が構想している「札幌ビエンナーレ」にダイレクトに繋がってくるわけです』

DSC_0028-1.jpg
中国美術展 上海摩登–SHANGHAI MODERN- / CAI02

札幌ビエンナーレのプレ企画として「札幌国際芸術祭」を開催したいとする2011年は、札幌の新たな地下コンコースの完成を予定している年でもあり、安田侃氏をはじめとする作家の彫刻作品の設置を予定している公園を構成した創成川プロムナードの完成も控えている年でもある。また、これまで毎年開催されている札幌アートステージ会期中に、地下鉄コンコースに展開していた道内のアーティスト作品を展示している「500m美術館」が通年化されることが決まったという。道内だけでなく、海外も視野にいれた芸術・文化の発信地として、確実に進展を目指している札幌で、今回開催される上海発の中国現代美術展が「札幌ビエンナーレ」実現に近づく更なる一歩を生み出すこととなるだろう。

中国美術展 上海摩登–SHANGHAI MODERN-
会期:2010年2月6日(土)〜20日(土)
会場1:CAI02
時間:13:00〜23:00(日曜・祝日休館)
住所:札幌市中央区大通西5丁目 昭和ビル地下2階
TEL:011-802-6438
会場2:GALLERY門馬
時間:11:00〜18;00(月曜休館)
住所:札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38
TEL:011-562-1055
オープニングレセプション:2月6日 18:00〜21:00
会場:CAI02
主催:上海札幌現代美術実行委員会
共催:CAI現代芸術研究所、Gallery門馬
後援:中華人民共和国駐札幌総領事館、札幌市、2010年上海万博公園彫刻プロジェクト日本委員会、日中友好道民運動連絡会、北海道上海友好協会、北海道日中友好協会
協賛:山謙工業株式会社、ソリトン・コム川上株式会社、不動産総合商社 未来通商株式会社、サッポロビール株式会社、日本清酒株式会社
協力:ACF(芸術・文化フォーラム)、北海道華僑華人連合会
企画:Office339
http://www.cai-net.jp
http://www.g-monma.com

Text: Mariko Takei

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE