パブロ・ガンバ

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

パブロ・ガンバは働き者のアルゼンチン人デザイナーであり、イラストレーター、そして“モノづくり作家”である。彼は題材問わず何でも描くだけではなく、さらに新しい素材を使って遊び心溢れる試行錯誤を繰り返したり、何も無いところから形を作り出してみたり、物のどんな面も描いてしまうのである。
彼はむしろ職人に近いと言えるだろう。職人と言っても、彼は分野をまたいで自由気ままに、そして無鉄砲に好きな事に打ち込んでいる職人なのだ。

pablo.jpg

あなたのこれまでの経歴について教えて下さい。どのようにして今の活動を始めたのですか?

まず、1996年にグラフィックデザインを学び始めました。その時は凄く嬉しかったですね、というのも勉強するのは大好きでしたから。ただ、僕は幾分恥ずかしがりやなところがあるので、学校で友達ができるかどうか不安でした。でも結局そこでは沢山の人と知り合うことができました。

まだ小さかった頃、父親が絵の描き方を教えてくれたんです。絵の授業では良い成績が貰えたし、大学で教えてもいました。特に好きだった教科は形態学だったのですが、これはその後生活して行く上でも仕事上でも凄く役に立ちましたね。

2003年からは、マーケティング・コミュニケーション会社である「グローバル・ダルドス」で働いています。僕にとって仕事をする上で最も重要なのは仲間です。人と一緒に作業するのが好きなんです。

ちなみに僕はいつも絵を描いています。時間も場所も問わずに。大学では、様々な素材を使って作品を作り始めました。材料は道端で見つけていましたね。それから、周りの人々や自分用にキャラクターを作り始めたんです。最初はどうしていいかわかりませんでしたが、アナに手伝ってもらってウェブ上で作品を公開し始めたんです。

lemur.jpg

ここから話は別の章へと入ることになる。アナ-彼女の名前はアナ・ポッジ、パブロの恋人だ。長年付き合っている彼らは、まるでお互いが無くてはならない機械の部品のように二人で一緒に作品を作っている。彼女はマーケティングが得意で、自分の目標を実現させる技術に卓越している。そんな彼女の強い後押しがあり、パブロは公の目に晒される事が無かったであろう様々なプロジェクトを展開していくこととなる。まさに彼女のお陰である。

『僕はまだ実験段階にあるような気がするんです。』とパブロは語る。『僕には決まったスタイルというものはありません。パソコン上でも紙の上でも作業しますし、立体作品やコラージュ、ドローイング、ペインティング、写真を切り抜いたりもしますし・・・。とにかく何でも好きなんです。子供向けのイラストや木、紙も!』

“ヌエバス・ガナス”とは何ですか?

アナと食事に出かけると、いつもお互いの間でアイディアが湧いてきます。ヌエバス・ガナスは夕食の席で生まれたプロジェクトで、冷蔵庫に貼り付けるユニークなマグネットで、周りにも凄く好評です。これを作るには大変な手作業が必要なんですよ!アナがこのプロジェクトで助けてくれたのは、とても大きかったです。僕たち二人は本当にチームなんです。

あなたはいろいろな事をやっていて、何にでも柔軟に対応してしまうんですね!

そうですね!それから、友達と一緒に作業するのも好きなんです。メキシコ人の友達マクとは”ラ・プライェリタ・エンチュラダ”というプリントTシャツを作るプロジェクトを一緒にやりました。

あと、「モノブロック」にいる友達のパブロとヴィクと一緒に「オーザー・ノートブック」を描きました。それからパトリシオ・オリバーHymnofedaとは「wachifichus」を作りました。

wachi1.jpg

先程の言葉の割には、あなたがやる事にはあなたらしさがはっきり見て取れますね。

でも僕には分からないんですよ!

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
ミルク倉庫+ココナッツ
MoMA STORE