シンガポール・ビエンナーレ 2008

HAPPENING

2週間の間に、アジアだけで10以上の大きなアートイベントが開催された。シンガポールのマリーナベイで開催された世界初のF1夜間レースが光彩を放つ中で、2回目となる国際現代ビジュアルアート展「シンガポール・ビエナーレ 2008」が、スピードカーの熱狂のもと、文字通り“Wonder”(不思議) をテーマに開催された。

F1レースと同時開催となった今年は、来訪者が疑問に思い、好奇心を抱き、内面から掻き立てられるものをテーマにしている。アートワークの残像からは、アーティストが現実や幻想の概念や、それらのグローバル社会の領域との関わりやその欠如について取り組んでいることが伺える。

シンガポール・ビエンナーレ 2008シンガポール・ビエンナーレ 2008


シティーセンターに広がる、シティーホールシンガポールフライヤー(上海スターが完成するまでは、世界一大きな観覧車)、サウスビーチのオフィサーズ・メス、マリーナベイのプロモントリーなどを含めた開催地の一部では、F1レースのマリーナベイシティサーキットを背景に構成されている。

シンガポール・ビエンナーレ 2008

過去に見たものがいつまでもあるわけではない。というのは、例えばシティーホールでは、旧議会をトリックたっぷりのインスタレーションやショートフィルムでいっぱいにした。ルネッサンス期の油絵を模倣した現代写真のデジレー・ドロンによる「Xteriors I、II、IV、VIII」や、双対アイデンティティで牧歌的な野原を創ったザドック・ベン・デービットによる「Blaskfield2008」、まるで水しぶきの中でワルツを踊っているかのように、タンクの中にぶらさがっている一冊の本を表現したキー・ボン・リーによる「Bachelor」が展示されていた。

シンガポール・ビエンナーレ 2008

サウスビーチで展示されたインスタレーション作品は、空間を包み込んだり含んだり拡大したりするというもの。フェリチェ・ヴァリーニの「ドリル・ホール」は、旧ホールにオレンジ色が炸裂する様子を表現し、訪問者は空間を移動しながら、そこに生み出される変化を楽しむことができる。

シンガポール・ビエンナーレ 2008

日本の建築家、板茂は臨時常設空間のコンテナパビリオンを制作。マリーナベイのプロモントリに位置しており、パビリオンの突然の出現は、シンガポールの中心業務地区拡張の中においてその存在感をアピールしている。構造やサステナビリティにこだわる現代において、コンテナによって作られたという事実はその素材や建築のあり方に疑問を投げかけている。同様に、その素材の使用は仮設的状況を示している。人は、そこに以前何があったのか、何が失われて、何が取って代わったのかということを不思議に思うに違いない。

疑問を抱くことは才能である。不思議な思いに誘われることは栄誉であろう。

シンガポール・ビエンナーレ 2008「Wonder」
会期:2008年9月11日〜11月16日
会場:シティホール、サウスビーチ・ディベロップメント、シンガポールフライヤー、エスプラネード橋、セントラル・プロモントリー・サイト、ラッフルズ・シティ・ショッピングセンター、他
http://www.singaporebiennale.org

Text: Fann ZJ
Translation: Kazunari Hongo
Photos: Janice Tan

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