サマーケース 2008

HAPPENING

夏はスペイン中がミュージックフェスティバルに沸く。2ヶ月間に3つの大きなフェスティバルが開催されるバルセロナは、中でも一番のフェスティバル都市だ。今年「サマーケース」は大御所であるベニカシムの国際フェスティバル「FIBハイネケン」と開催日が重なり、少々のハンディキャップを負うことになる。しかし、たった第3回目の開催にして、全ての音楽ファンが心待ちにするイベントとなった。

今年のフェスティバルは過去に目を向け、伝説的なイギリスのパンクバンドセックス・ピストルズ、エレガントなニューウェーブパンクの歌姫デビー・ハリーブロンディリチャード・アシュクロフトに、97年以来のニューアルバムを出したザ・ヴァーヴ、またディール・シスターズによるザ・ブリーダーズの再来などが見られた。

サマーケース 2008サマーケース 2008

またラインナップには、モグワイCSSグライダーマンコーネリアスプライマル・スクリームマキシモ・パークインターポールなども含まれる。

ベニカシムのフェスティバルとの開催日の重なりも、それほど深刻な要素にならず、初日からたくさんの人が訪れていた。バルセロナ・フォーラムで開催されたサマーケース(フェスティバルはバルセロナとマドリードで同時開催された)は、2つのメインステージと2つの小さなステージで構成され、ライブごとに走りまわる必要がない丁度良い規模であった。

サマーケース 2008


金曜の前半「ムービースター・ステージ」には、ストーン・ローゼズの伝説的ボーカル、イアン・ブラウンが登場。たくさんのイギリス人観客がサポートし、全観客のほぼ半分が参加した。

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直後に「コンバース・ステージ」では、グラスヴェガスの素晴らしいライブが行われる。即座に観客と結びつくシンプルで直接的なセットを持ったグラスゴー出身のバンドである。

サマーケース 2008

そしてニック・ケイヴ、ジム・スクラヴノス(ザ・クランプス)、ウォーレン・エリス、マーティン・P・ケーシー、バッド・シーズのメンバーで構成されたスーパーコンボ、グライダーマンが「ムービースター・ステージ」をロックする。この週末の初めのハイライトとなった。そしてグライダーマンが去った直後、観客は移動して「ウォークマン・ステージ」エリアに集まると、フェスティバルで最も期待された瞬間に備える。

サマーケース 2008

それは、何年にも渡って活動再開を望まれたブロンディのライブを見る機会のことだった。美しいデビー・ハリーがリードするショーは素晴らしく、観客はヒット曲の全てを大声で歌った。

サマーケース 2008

フェスティバルの初日は既に頂点にあり、ブロンディのライブの成功に続いて、ニューヨークのバンド、インターポールの濃密なサウンドの時間となる。リチャード・アシュクロフトとザ・ヴァーヴの期待された再来、ベテランのプライマル・スクリームによるロックのサイケデリアと続いた。

サマーケース 2008

後に、フェスティバル全体で最も素晴らしいと言えようコンサートが、小さな「コンバース・ステージ」で繰り広げられる。ロック・ジオメトリー、ポップ、ジャズの素晴らしいミックスと映像と照明を伴う絶妙のプレゼンテーションで登場したコーネリアス。フェスティバル中、最も完成されたショーの1つであり、間違いなく最高のサウンドであった。

サマーケース 2008

コーネリアスの素晴らしいコンサートの後は、エティエンヌ・ドゥ・クレシーによる目まぐるしいビジュアルプレゼンテーションを共にしたダンスセッションの時間となる。エティエンヌ・ドゥ・クレシーは、映像と音楽を伴うスクリーンでできた大きなキューブの中でプレイした。締めくくりは、真のダンスフロアを約束するトゥーメニーディージェイズによるもので、パーティーは朝まで続いた。

サマーケース 2008

2日目は、UKの若くてハンサムなポップ・ロッカーズを待ちわびる観客と共に、早々とスタート。ムービースター・ステージに登場したザ・クークスである。それに続くは、その日最も期待のコンサートとしてたくさんの人を集めたキムとケリーのディール・シスターズによるザ・ブリーダーズ。10年以上もツアーを行っていないバンドが、ニューアルバム「マウンテン・バトルズ」で復活。シスターズは「キャノンボール」などのヒット曲や、スペイン語の歌で、観客を魅了し続けた。

サマーケース 2008

モグワイのサウンドはどこかユニーク。サマーケースのような野外フェスティバルでも、劇場でも、このバンドは独特の環境を生み出す。今回モグワイは1997年の素晴らしいデビューアルバム「モグワイ・ヤング・チーム」を披露した。アルバム同様にコンサートもパワフルであり落ち着いている。モグワイのパフォーマンスは常に、なくてはならないものだ。

サマーケース 2008

モグワイによる幻想的なユニバース世界が繰り広げられた後、同じステージが360度変化した。ブラジルのハッピーカクテル・バンド、CSS(カンセイ・ジ・シール・セクシー)によるポップ・ロック・フィエスタとカラフルなショー。ニューアルバムを披露し、また美しいボーカルのラブフォックスのドレスアップも見ものであった。

サマーケース 2008

CSSの後は、ナッシュビル出身のロックバンド、キングス・オブ・レオン。長い間ライブで見かけることがなかった彼らは、コマーシャル・バンドとなったようだ。しかし、キングス・オブ・レオンが今コマーシャル・バンドであるということは、アンチ・コマーシャル・ミュージックのキングがシーンに躍り出たということだ。

サマーケース 2008

セックス・ピストルズ。彼らはスペインで演奏をしたことがないと聞いた。全盛期70年代後半とは異なるにしろ、とてもパワフルなショーを披露した。永遠にプレイし続けるバンドのよう。生で彼らを見ることができたのは素晴らしい機会であったし、観客みんながそう思っていたことだろう。最も人を集めたコンサートの1つとなり、誰もが最も楽しみ、ジャンプし、叫んでいたからだ。「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」「アナーキー・イン・ザ・UK」など、全てがクライマックスだった。

激しいフォールズもまた、その夜「ウォークマン・ステージ」に登場する。その後は、ネオン・ネオンによるシンセサイザーミュージックと蛍光ライトのフューチャリスティックでレトロスタイルのミックスが、人々をダンスセッションへと導いた。

フェスティバルの最後を締めくくったのは、カナダのティガによるミュージック。

フェスティバル自体の運営もとても良く、全てのアーティストが時間通りに揃い、また休憩場所も充実していた。再利用できるグラスのリサイクルも提唱されており、最もクリーンなフェスティバルでもあった。残念なことを挙げるとすれば、まだまだダンスが盛り上がっていた朝の5時に早々と終了してしまったことくらいだ。

お疲れ様!おめでとう!フェスティバルのクルー達。

Summercase 2008
会期:2008年7月18、19日
会場:Parc del Forum, Barcelona / Boeadilla del Monte, Madrid
http://www.summercase.com

Text and photos: Julio Cesar Palacio from Panopttic
Translation: Yurie Hatano

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