
108の心の絆創膏。
香港において、ハンドメイド・アクセサリーというジャンルは決してメインストリームとはいえない。しかしサリー・チュウのような地元のハンドメイド・アクセサリー・デザイナーの存在は貴重だ。彼女の作るブローチは宝物のように美しく、傷ついた心まで癒してくれるかのよう。彼女の初の個展「108 Pieces Of Heart-Healing Plaster (108の心の絆創膏)」は大成功を収め、最近の彼女は実験的なアクセサリーの試作を楽しんでいるところである。そんな彼女に、作品と想いについて話を聞いた。

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Sally Chu, Exhibition Poster image
まずは自己紹介をお願いします。
サリー・チュウです。私は10年間広告業界に身を置いていて、昼間はクリエイティブ・ディレクターとして働いています。そして夜はハンドメイド・アクセサリーのデザインをします。空き時間を使ってアクセサリーを作る生活をとっても楽しんでいます。
手作りアクセサリーを始めた経緯は何ですか?また何に影響されて始めたのですか?
初めてのフランス旅行と、雑誌「装苑」でしょうね。フランスは数年前に旅したとき、一瞬で恋に落ちました。フランスで目にする素敵なアクセサリーにとても影響を受けたのです。香港に戻ってすぐに深水埗で材料を探し、私の初めての作品、レースのブローチに取り掛かりました。それと私は雑誌「装苑」の大ファンです。あのスタイルが大好きなのです。「装苑」は、私のクリエイティブ・ディレクターの仕事にも、アクセサリーデザインの仕事にも大きなモチベーションとインスピレーションを与えてくれます。
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Sally Chu, Exhibition at Kapok
以前からアクセサリー作りの経験はあったのですか?
特にありませんでした。大学ではグラフィックデザインを専攻していましたが、卒業制作で魚の刺繍を作ったことは覚えています。卒業してからは、手作りの作品からは縁遠くなりました。刺繍や編み物の教育を受けたことはありませんから、私はいま自分の作品を作りながら実験しているのだと思います。
はじめての個展について聞かせてください。
4月に香港のギャラリー、カポックで初の個展を開きました。そこで私が2年半の間に制作した108個のブローチを展示しました。それらひとつひとつをアート作品として、額に入れるという見せ方をしました。
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Sally Chu, Exhibition at Kapok
この個展のコンセプトは?そして、そのコンセプトはどのように思いついたものですか?
私はひとつずつブローチを作りため、108個出来上がったところで作るのをやめました。この可愛らしいアイテムをみんなで共有したいと思ったので、個展を開くことを考えコンセプトを練りはじめました。この個展のコンセプトは「ブローチは単なる上着の飾りではなく、傷ついた心を癒す絆創膏にもなれる」ということです。ブローチがあなたの心を癒しきった後は、引き出しの中にしまえばよいのです。

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Sally Chu, Concept Instruction of Exhibition at Kapok
観客からはどんな感想を得たのですか?
カポックのアルノー、私の友人たち、そして個展を見に来てくれた人たちはみんなとても協力的でした。私のブローチはとても評判がよく、実際にいくつかは売れました。私がまだ作り始めて数年だと知ってみんな驚いていました。
「ワン・デイ・ショップ」について教えてください。どのように始まったのですか?どのような作品が売られているのですか?
ファー・ファー、ハナミ、ハッピー・エンディング、プリティー・シリーと私は香港のハンドメイド作家のグループを作っています。そのうち2人とはブログを通じて、もう2人とは仕事を通じて知り合いました。日本や台湾では「ワン・デイ・ショップ」がずいぶん前から行われているのを知り、私たちもお互いの作品を持ち寄ってお店を開いたら楽しいだろうと思ってそのアイデアをカポックに提案したのです。ワン・デイ・ショップでは、私たちの作ったアクセサリーやトートバッグ、手作りの口紅やジャムまで並びます。とても楽しくて、たくさんのお客さんが私たちの作品を楽しんでくれるのを見て励まされました。
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Sally Chu, One Day Shop
ワン・デイ・ショップが成功して、あなた達はユニットとして制作を共にすることになったのですか?
私たちの作品はそれぞれ違うスタイルを持っています。だからユニットとして共同制作をするという予定は今のところはありません。でも、お互いに影響しあっていることは確かです。美しいものを見ると、私の創作へのモチベーションは高まるのです。
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Sally Chu, One Day Shop
現在の香港のデザイン、またハンドメイド・アートに対してどう考えていますか?
台湾や日本、タイなどでは、アートを許容する雰囲気が香港よりもずっと開かれているように思われます。香港のデザイナーは、市場に表現の規制があるために自由な活動をすることが難しいのです。ハンドメイド市場に関して言えば、香港ではほとんどの人がブランド重視だと思います。有名ブランドではないから、人々は私たちの作品にあまり関心を示しません。それに、私のような活動をしているアーティストは香港ではあまり居ませんから、人々にも知られにくいのです。でも「ワン・デイ・ショップ」の成功はとてもいい兆しだと思います。
いま行っている活動について教えてください。
アクセサリーを作り続けています。と同時に、次の個展に向けての準備も進めています。6月のお天気の悪さにインスパイアされたコレクションです。アクセサリーは全部、黒にする予定です。
最後に、あなたの憧れのデザイナーは?
ディック・ブルーナ、アレス・エクスタス、ツモリ・チサトです。
Sally Chu
chusally@gmail.com
http://sasalle.blogspot.com/
Text: Justin Tsui
Translation: Shiori Saitou