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アイヌ音楽祭 2008

HAPPENINGText: Yurie Hatano

2008年5月15日、地元・北海道新聞の報道を経て、緊急メールニュースが届く。
『遂に日本政府がアイヌを先住民族と認めることとなりました!』

翌日にはアイヌが集結し、歌や踊りを行うという。長い歴史において奪われてきたものだけでなく、これまで認められもしてこなかったのだという、周知のようでいて知られざる事実に驚く。その意味とは。「雨天決行」の文字には、アイヌにとってのそのニュースの大きさと、誇りが現れていた。

アイヌ音楽祭

私達が駆けつけたのは、北海道庁赤レンガ庁舎前。空は雨雲におおわれ、時折遠くで雷も聞こえるが、まだ雨は降らず。一刺一刺手縫いで生み出されるアイヌ模様の民族衣装をまとった北海道5地区よりあつまったアイヌ達。「祝・先住民族認定(予定)」のプラカードがいくつか掲げられている。

アイヌ音楽祭

女性のウポポ(歌)に合わせ、アイヌ古式舞踊が順に繰り広げられていった。

アイヌ音楽祭

伝承される歌や舞踊は、それぞれの地区によって異なる。豊かな土地や自然を、日常生活を支えてくれる神々として、感謝や希望を表す様々な行事に際し、独自の信仰に根ざして踊られてきたのが、アイヌ古式舞踊だ。

アイヌ音楽祭

松永八重子氏、花岡ケイ子氏によるムックリの演奏。アイヌの代表的な楽器の一つであるムックリは、一本の糸をひっぱることで竹の弁を振動させ、口内に共鳴させるというもの。単純な構造でいて、その演奏はなかなか難しい。アイヌ民族博物館でも伝承を続ける名手らの、何重にもなった深い音が広がった。

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