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ロメオ・ガルダメス

PEOPLEText: Erika Saca

ハリウッドのスーパースターや、軍人、先住民は、バーコード、ロトカード、工場のミシンによる完全なハーモニーの中で生きている。これが、エルサルバドル人のグラフィックアーティスト、ロメオ・ガルダメスの目を通して見える世界だ。彼のコラージュ作品は、ラテンアメリカのアイデンティティの断片を、壮観な芸術に融合させる。彼の作品は、反論する構造と矛盾した現実が重なり、グラフィックとイデオロギーの両方を提示する。ラウシェンバーグがガルシア・カンクリーニの「ハイブリッド・カルチャーズ」に出会ったと思ってみてほしい。セリグラフィ(シルクスクリーン)のマスターである彼は、この平面のテクニック、ありふれたポスターアートに新しい次元を加える。

同世代の多くのエルサルバドル人のアーティスト達のように、12年間という長い年月の内戦を経験した彼だが、先月、エルサルバドルで最初の個展を開いた。彼が帰国し、4年半が経ってからのことだった。展覧会「POSDATA(追伸)」の最終日、芸術やラテンアメリカそして世界のシーンについて、私はロメオと話をした。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez

「POSDATA」について教えてください。

POSDATAは、4年半前にエルサルバドルに戻って以来準備していた展示です。 POSDATAとは手紙の本文ではなく、追伸として書くもののことですが、つまり情報に対する敬意です。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez “Códice Nuestro Fin de Siglo y Otras Páginas de Memorias” (2001)

またこれは、旅先での作品のサンプルでもあります。帰国後に制作した新しい2つの作品が、POSDATA(追伸)の意味を成します。作品「Mosaico de Corazones」は、16人の若いアーティストたちとのコラボレーションです。私が国を出た時には生まれていなかったアーティストもいます。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez “Mosaico de Corazones” (2008)

アートに関わるようになったのはいつごろですか? ずっとアーティストになりたかったのでしょうか?それとも他の職業につきたかったのですか?

私はカバナスの小さな町で生まれました。探求好きで、知りたがりで、いつも違う角度から物事を見ていました。 アートは私に異なった世界を見ることを許してくれました。
1972年に、ナショナルセンター・オブ・アートで学ぶ機会があったのですが、外国人講師達との素晴らしいプログラムを行い、私に新しい観点を与えてくれたものです。

この分野を学ぶということは勇気のいることだとは知っていましたが、別の意味での満足感をもたらすことも知っていました。私たちの国の社会や経済状況から、テーブルにパンも運べないキャリアだと誰もが知っています。しかし、私のキャリアのポイントとなる、世界を旅したこと、様々な人々に会ったことなど、私が持っていた世界への考えはアートのおかげと言えるのです。

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