ロメオ・ガルダメス

PEOPLEText: Erika Saca

長年メキシコとブラジルで作品の一部を制作していますが、 海外での時間はどのように作品に影響を及ぼしましたか?

テーマはいつも同じですが、過程は変化してます。 ブラジルでの経験は非常におもしろかったです。

エルサルバドルの面積の200倍はメキシコで、メキシコの4倍がブラジルに相当します。つまり、私は800倍もの国をまたいだことになり、私の物の捉え方にも影響を及ぼしました。よりオープンに、より国際的に。グラフィックスの伝統があるメキシコは良いプラットホームでした。彼らには、アートの歴史的な理解があります。アートが観光の主要な源の一つでもあります。

合衆国とカナダでの作品は、規律の概念、生態、人道主義の良心を与えてくれました。

私は自分が世界において、ここにいることを意識しながら、エルサルバドルに戻りました。 エルサルバドルから作品を全世界に起こすことができるのを分かっていたので、毎日国を去るほとんどの移民とは逆に、私は戻る予定でいました。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez “Sensacional…con(cierto) collage de corazón y la global collection.” (2002)

どのように帰る国を見つけたのですか?

私の世代は非常に不安定でした。 現在は認められている作品も、当時は拒絶されていました。戻ってきて、52歳にして、今作品は流通し受け入れられています。そして、現代アートの中心で展示されていますが、作品自体は未熟です。

若いアーティストは、自分の言葉を見つけるために、中身を成長させる必要があると感じます。グローバル化している世界にいながらも、私たちは目立つ顔と名前を持つ必要があるのです。どんなに実験的なフォームであれ、エルサルバドルは十分に熟慮した作法で近づく必要がある多くの現象があり、移住などのテーマは取り上げられなければなりません。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez “Momentum” (2008)

だから、私はこの展示で文化的な変化について伝えることに時間をかけました。生活の中での英語の影響、どれほどそれを正確に読めていないか。これは文化の形のひとつです。

ラテンやエルサルバドルのアイデンティティについてどう思いますか?

難しい質問ですね。まず、私たちには多くのアイデンティティがあります。 エルサルバドル人にさえ多くのアイデンティティがあります。 それは過程で、私たちにはいまだ顔となるものをもたないのです。 私たちはアメリカの影響下にあり、それは何かの結果として出てくるでしょう。

第二次世界大戦前はヨーロッパの影響下にあり、その後、合衆国が他の国々に指導権を働かせはじめました。 その意味で、与えられることが好きではなかった私の世代は反抗的でした。新しい世代にはその葛藤はありません。 これもまた私たちのアイデンティティと同様にに深い衝撃を持ちます。 私たちは純粋なラテンアメリカとして存在しません。 私たちは文化として併合されてないため、新しい物を取り入れようとする事にもろいように思います。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez “Reflecciones de identidad” (1992)

作品はどこに向かっていますか?

現在は新しい過程にあり、オブジェクトアートのシリーズを始めています。世界の規模で、より領域に焦点をあわせ、人についてのメッセージを伝え続けたいです。

ヘスス・ロメオ・ガルダメス
Romeo Galdámez “Memorias Unidas (Páginas en Construcción)” (2003)

ラテンアメリカのアートはどこに向かっていると思いますか?

私は、単純にグローバル化の一部として、ラテンアメリカのアートは、よりグローバルな形になっていくのだと思います。伝統的な画家は、故郷の詩を作り続けるでしょう。これらは民俗学的な記念品のままで残ります。しかし、新しいトレンドは他の国々に応じて、より一般的な見解になってきています。ラテンアメリカのアートは、もうロマンチックなステレオタイプではありません。言語も他の国々で使用されることでより統一されるようになっています。しかし、よりディープな地域がラテンアメリカにはあります。そこには、インターネットや電気のアクセスが全くありません。海に一度も行ったことがない人々がまだいるというパラドックスがあり、海を知らないその誰かは、反対側がはるかにあることを知りません。それは大変大きな矛盾です。したがって、私たちが共存して、お互いの相違を考慮することを学ばなければならない時に、問題はおこるでしょう。

エルサルバドルとラテンアメリカは異なっています。お互いの世界を理解し平和的に共存するためにも、私たちはそれぞれのアイデンティティの断片、アイコン、かけらを結びつけようとするべきなのです。

Text: Erika Saca
Translation: Yurie Hatano, Naoko Miura
Photos: Courtesy of CCESV © Romeo Galdámez

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