レイチェル・マシューズ「アナログ・アムネスティ」展

HAPPENINGText: Sayaka Hirakawa

ほんの少し前のことだというのに、もうすっかり、冗談の種にしかならなくなってしまったカセットテープにビデオテープ。ドライブの途中ですり切れるほど聞いたビートルズ、何度も何度も繰り返してみた「東京ラブストーリー」(ロンドンっこなら「ドクターフー」?)いったいみんなどこへ行ってしまったのでしょう。

アナログ・アムネスティ展

そのVHSとTDKテープを毛糸と一緒に紡いでしまったら、思い出入りの毛糸の玉ができ上がり。さてそれで何を編もうかな?というもくろみも楽しい展覧会がブリックレーンのタッティ・ディバイン・ブティックで開催中だ。

アナログ・アムネスティ展

スピタルフィールズマーケット生まれのタッティ・ディバインは、ハリエット・ヴァインとロージーとウォルフェンデンの二人によるアクセサリーデザインデュオ。色とりどりのプラスチック版を、思いもよらない楽しい形にカットした定番のデザインは今や世界中で愛されている。小鳥や猫やバンビの動物モチーフものや、シンデレラのカボチャの馬車と馬なんていうおとぎ話のモチーフは、コドモゴコロを持ったプレイフルな女性にぴったり。

アナログ・アムネスティ展

さて、その二人の友人でもあるレイチェル・マシューズがこの小さなお店の小さなギャラリースペースで展開しているのが「アナログ・アムネスティ」展である。「古いテープを捨てないで持って来て!」と呼びかけていたおかげで、なつかしのVHSが山と積み上げられた店内の真ん中に、木製の糸紡ぎ機が置かれている。それがなければちょっと昔の「オタク」な誰かの部屋のよう。壁にぺたぺたと張られた手書きのカセットレーベルには、懐かしくも恥ずかしいミックステープを作り合ったあのころを思い出させられたりして、ちょっと赤面してしまうかも。

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