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「とうめいのかたち」展

HAPPENINGText: Shinichi Ishikawa

自分のそば気持ちの良いモノがあると、それだけで、ひとつ人生得したような気がする。
「とうめいのかたち展」は、東京周辺の小規模製造業者と若手デザイナーが共同で製作した家具やプロダクトのプロトタイプの展覧会。

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Photo: Koji Sakai 

この展示をプロデュースしているのは、ファクトリープロジェクト。このグループは2002年より活動を開始。その内容は、建築家、デザイナー、写真家、編集者まで幅広い有 機的なネットワークによって、商品開発から、展覧会のプロデュース、グラフィック、ウェブ・デザイン、建築、インテリアデザインまで、総合的なクリエイティブデザインの母体となるべく活動を行っている。

これまで、オリジナル・プロダクトの開発および展覧会を実施。このグループには小規模製造業者や、職人達が蓄積してきた技術を、共同作業を通じて継承・発展させていくという目的もある。2006にLLP(有限事業責任組合)に登記し、建築家6名+インテリアセレクトショップオーナー1名を中心に運営されている。

「とうめいのかたち展」は、アクリル加工業を営む株式会社さくら樹脂と若手デザイナーが共同で製作した家具やプロダクトのプロトタイプの展覧会である。展示スペースに入ると、全壁面に比較的小型のプロダクトが展示されており、中心部には大きめのものが展示されている構成。壁面からゆっくり見ていく。

こういったアート性の高いプロダクトの展示会というのは一見それほど珍しいものではないと思える。しかし本展覧会は単にアートな展示ということではなく、展示されたプロダクトは、実際に「商品」としてインターネットや小売店を通じて販売を予定するプロダクトであるのが特徴だと思う。

一部、先行販売の製品のプライスリストがあった。1〜3万円代が多く、こういった展示の製品にしては非常にリーズナブル。1点ものでもなく、買いやすい値段設定…このあたりも、単なるアート展示ではなく、多くの人に日常生活の中で使用してもらう製品の紹介になっている。

どの作品も新しい時代のライフスタイルをリアルに体験できる、素晴らしい作品だった。技術的な説明をすると、これらの製品はアクリル重合法によりアクリル樹脂を反応・硬化させる技術を駆使した美しい透明アクリルで制作されており、若手デザイナーのデザインを株式会社さくら樹脂がきめ細かくし作品にフィードバックしながら出展品として作り込んでいった。

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