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ツジコノリコ

PEOPLEText: Yasuharu Motomiya

毎日、曲は作っていますか?

今は子供と過ごす時間が圧倒的に多いこともあって、全く曲は作っていません。はっきりしませんが2002年あたりにパリに引っ越してからは多分平均一ヶ月に2、3日くらいしか音楽やってないかも。

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いままで様々なアーティストと共同作業を行っていますが、一人で行うものと共同で行うものの違いや、良さ、また音に対する距離感の違いなどがあれば教えてください。

両者の違いは、大体皆が想像できるような事だと思います。強いて書けば他の人とやる良さはもちろん意外性と人間関係が進歩する事。一人の良さは自分が進歩する事。

ツジコさんは、音楽、イメージ、そしてヴィジュアルとトータル的な作品としてプロデュースしていますが、そのなかで取り分け音楽というメディアを自己表現の場として選んだ理由は何でしょうか?

歌う事が好きだったから。道具なしですぐにできる事だから小さい頃から簡単に好きになれたんです。言霊とか信じてる所ありますしね。
物語やイメージに興味を持ったのはずっと後です。

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パリでの生活は音楽や制作活動においてどういう影響があると思いますか?

頽廃、無気力、反動的。

今まで行ってきた活動において、特に影響を受けた作家、作品、事柄、場所、などがあれば教えてください。

東京、パリ、マルセイユ、額田、ジョン・カサヴェテス、ツァイ・ミンリャン、フェデリコ・フェリーニ、坂本龍一、ピタ、マルグリット・デュラス。

好きな本はありますか? また、あるのであればその理由を教えてください。

「百年の孤独」ガルシア・マルケス:本当に元気の出る本だから。ライフがいっぱい詰まってるの。残酷で珍道中で意味不明な3代4代にわたる一族の人生と村が淡々と、しかもシュールに面白可笑しく描かれてるのね。本が終わってしまうのが残念なくらい楽しい。

「蝶の物語たち」ウィリアム・T・ヴォルマン:彼の本は好きですね。辺境の物語なんです。この人の書くスピード感が面白くって、最後の方はスピードもあるし本当に熱帯の熱や地雷の爆風が本からメラメラ。

映画も撮っていますが、映画監督ツジコノリコ、音楽家ツジコノリコの違いはありますか?

映画監督としては私は赤ちゃんみたい。発見ばかりで知らない事ばかり。映画と音楽は作る過程が全く違うように思います。映画は本当に時間がかかるし我慢強く色んな事を考え抜きながら。音楽を作るのは100m走的な瞬間が多いように思うのね。だからね、映画はおばあちゃんになっても作れるかもしれない。音楽はねなんとなくそうじゃないような気がする。まだ分からないけれど。

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最後に読者にメッセージをお願いします。

私の作るもので皆さんが少しでも活き活きしてくれればいいなって思っています。プライドを忘れず元気にやっていきたいですね。

Text: Yasuharu Motomiya

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